悩んでいる人にかける言葉には、いつも悩む
こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。
ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングを行っています。そのテーマは......
- 「これからのキャリアを考えたい」
- 「Webを使ったマーケティングはどうしたらいいか」
- 「部下の扱いに困っている」
- 「これから管理職になるが、うまく関われるか不安」
- 「転職したいが、何をどうしたらいいか悩んでいる」
- 「経営者で相談相手がいない」
- 「過大なストレスを抱えている」
など、多種多様です。
ポジティブなテーマは関わりやすいし、比較的簡単です。掛ける言葉にも、それほど迷うことはありません。
一方、悩んでいる人にどう言葉を掛けるか......いつも悩みます。
その中で最も慎重になるのが、「転職」や「起業」など、進路を大幅に変える人たちへの言葉です。
「転職」や「起業」などに対して、世の中では、「やりたいことをやりましょう」「やりたくないことはやめましょう」「だったら、転職したほうがいいよ」「起業って楽しいよ」みたいな、転職や起業を勧める情報であふれかえっています。
これらは、どれもウソではないし、ある意味では正しい。だから、そう伝えてしまうのは、正直、簡単です。
また、進路や人生を決めるのは、あくまでも当の本人ですから、私が何を言ったところで、はっきり言ってしまえば関係ありません。
だから、本来は何の責任もないし、「辞めちゃえば?大丈夫。何とかなるよ」「今、悩むってことは、そういうタイミングなんじゃない?」「やりたいことを実現しようようよ!」「転職するから天職に出会えるんだよ!」みたいな、ちょっとポジティブな言葉をつけて励ましつつ、次の行動を促すのは、それほど、難しいことではありません。
でも、今までいろんな経験を積んできて、世の中、「理想が叶うことばかりではない」ということも、正直、実感しています。理想を叶えるためには時間が掛かることもあるし、理不尽な思いをすることもあります。
もちろん、それを乗り越えることで力になることは間違いありません。けれど、ただ、やる気にさせるだけ、ただ、行動を促すだけ......みたいな、無責任でいい加減な言葉は、掛けたいとは思わないのです。
また、ちょっと弱り気味のときは、そういう言葉が、むしろ逆効果になることもありますし。
危ないと分かっていて、橋を渡らせるわけにはいかないし、ケガをすると分かっていて、背中を押すわけにはいかない。それでも、自分らしくはたらいてほしいし、楽しくはたらいてほしい。
そんな思いのはざまで、悩んでいる人にかける言葉には、いつも悩んでいます。