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安定的な職につけていない5人に1人の大卒のみなさんへ

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昨日、「今春卒業した大学生のうち、安定的な職に就いていない人が22.9%」という報道を見ました。

テレビでは就活セミナーで挨拶や名刺交換の練習をする様子が放映され、講師の方は、「お前らの人生のために言っているんだ!」と声を張り上げていました

この報道をみたら、一瞬でいくつかの思いが浮かんできました。

■就職"せず"なんじゃない。"できず"なんだ

いくつかの新聞社のWebサイトで同記事を検索してみました。そこには、「就職も進学もせず、安定的な雇用に就いていない」とか、「将来計画が定まっていない人が多い」と書かれている記事がいくつかありました。

ボクはいくつかの記事を読んで「就職も進学も"せず"なのかなぁ。本当は、"せず"じゃなくて、(頑張っているが機会が得られない意味の)"できず"な人のほうが多いんじゃないかなぁ」と思いました。

また、「大学を卒業したばかりの年齢で将来の計画が定まっている人、そんなに多いのかなぁ。就職できた人だって将来の計画が定まっていない人、一杯いるんじゃないかなぁ」と思いました。ボクだって社会人になったとき、将来の計画なんて何もなかったですもん。働く中で次第に分かってきたことのほうが多いです。

なかなか就職できずに悩んだり、自信を落としている人もいる一杯いると思うけど、記事に踊らされずに、目の前のことを1つひとつ頑張ってほしいなぁって思います。

■マナーは現場でも学べるぜ

就活セミナーの方は、「挨拶や名刺交換の仕方がなっていない!」と声を張り上げていましたが、ボクは挨拶の仕方なんて一度も習ったこともがないし、名刺を初めてもったのは会社に入って5年ぐらい経った後なので、正しい名刺交換の仕方も習ったことがありません。未だに正しいやり方は知りません。ほかの方のやり方を真似るようにして覚えましたが、それでも何とかやっています。

もちろん、挨拶はキチンとした角度で、キチンとした名刺交換ができたほうがいいに越したことはありませんけど、会社に入ってからでも学べます。また、失敗しながら身に付けて行くことでもあるので、挨拶や名刺交換が正しくできないからと言って、自信を落とさなくても大丈夫です。

挨拶の角度や名刺交換のマナーよりも、「私ってダメかも……」っていう自信のなさが伝わってしまうほうが、面接する側は見えちゃうんですよね。自信は持ってもてるようなものじゃないけど、私の恩師の言葉を添えます。

「未来は誰も経験をしていないのだから、未来に自信を持っている人は誰一人としていないんだよ。自信は過去にあるんだよ。これまでもいろんな困難を乗り越えてきたでしょ?それを一つひとつ思い出してごらん」

就活セミナーの講師の方は、表面的なテクニックにゲキを飛ばすのもいいけど、もっと自信を持たせてあげてほしいと思います。

■そもそも、「安定的な職」って何だろう?

「本当の安定って何かなぁ」と、ボクは近頃よく考えます。

一般的に「安定的な職」と言えば「正社員」のことを指すと思いますが、今、どこの企業だって、いつどうなるかなんで誰も分からないわけじゃないですか。

ボクが今「本当の安定」って思っているのは、「不安定な状況を、安定した心で歩む」ということだと思っているんですよね。

今、正社員で就職できていないみなさんは不安が多いと思いますけど、不安定な状況を安定した心で歩むことを学んでいるんじゃないかなぁ。パッと正社員になれた人よりも、すごくいい経験をしていると思います。就職活動の中で、仕事に就くことができない悔しさとか、いろんな理不尽さとか、そういったものに気付いたり、見えたりしてくるかもしれません。今のような不安定な時代は、そういう「悔しさを乗り越える力」とか「日常の中にある、誰もが気づかないような課題に気づく力」がすごく大事だと思うんですよね。それを学ぶ機会にしてください。周りに同じことで悩んでいる人がいっぱいいるから、「多くの人の悩みを解決するためにはどうしたらいいか」を考えたら、近い将来、起業する機会にもなるかもしれませんし。

目の前には、いろんな険しい道がありますね。この記事を読んで「そりゃわかるけど、そんなこと言ってる場合じゃない!励ましよりも職をくれ!」というのが現実の人もたくさんいらっしゃる思います。でも、いろんな経験をした人ほど、人にやさしくなれ、これからの予測不可能な社会の変化に対応できるようになると、ボクは信じています。

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