従属的な人、支配的な人、誠実で対等な人 ──コミュニケーションの3つのタイプ
衝突したときにどのように振る舞うか
開発現場では様々なメンバーと一緒に仕事をするのだが、皆がいい関係であるとはかぎらない。多くのメンバーとは利害が反する関係にあり、たびたび意見が衝突する。誰が面倒な問題を担当するか、設計書の書式や記載ルールはどうあるべきか、どの機能を優先して作成するべきかなど。
衝突が起きたとき、人によって振る舞いはさまざまだ。自分の意見を引っ込めて相手の言いなりになってしまう人。自分の意見を強く主張して相手の意見を受け入れない人。声を荒げて相手を威嚇する人。感情的になって怒鳴る人。相手の意見に耳を傾ける人。根気よく交渉し続ける人など。
たいてい、衝突が起きたときの結末はパターン化されていて、同じ状況であれば同じ振る舞いをし、そして同じような結論に導かれてしまう。例えば、作業の分担で衝突する場面を考えてみよう。いつも言いたいことを言えずに引き受けてしまう人がいたり、いつも攻撃的な口調で相手に作業を押しつける人がいたり、いつも感情的になってまわりに不快感を与える人がいたり、いつも対等な条件でwin-winの合意できる人がいたり、同じ場面でも人によって結果はバラバラなのだ。
3つのタイプ(非主張的・攻撃的・自他尊重的)
衝突したときにどのように振る舞うかは、人によって異なるようだ。アメリカの心理学者ウォルピによると、自己表現のしかたや人との関わり方には3つのタイプがある。3つのタイプとは
- ノンアサーティブ(非主張的)
- アグレッシブ(攻撃的)
- アサーティブ(自他尊重的)
である。タイプ別の振る舞いは以下の通り。
ノンアサーティブ(非主張的) | ・遠まわしな表現をする ・自分で決定をしない ・自分に自信が持てない ・誰かがやるのを待っている ・相手の言いなりになる |
アグレッシブ(攻撃的) | ・攻撃的な表現をする ・尊大・横柄な態度をとる ・相手を支配・操作する ・自分の正当性を過剰に主張する ・相手を見下す態度をする |
アサーティブ(自他尊重的) | ・考えや気持ちを素直に表現する(率直) ・相手への配慮をする(誠実) ・自分で決定し結果に責任を持つ(自己責任) ・よい部分を見ようとする(ポジティブ) ・相手と対等な姿勢でいる(対等) |
相手と接する時、自分も相手もアサーティブであれば、建設的な対話ができ、ストレスのない関わり方ができる。しかし、自分と相手のどちらかがノンアサーティブだったりアグレッシブだったりすると、衝突したり対立したり不快な感情になってしまう。まずは自分自身がどのタイプであるか、下記のチェックリストを使って調べてみよう。