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【書評】忙しいSEも『育児ナシ』を卒業!: 教えてクンにさせない子育て

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 先日、筆者にとっては@ITエンジニアライフの先輩コラムニストである、あべっかん氏がKindle本「忙しいSEも『育児ナシ』を卒業!: 教えてクンにさせない子育て」(以下、「本書」とします)を出版されました。僭越ながら、レビューさせていただきます。

■お子さんへの深い愛情を感じる心温まるエッセイ

 あべっかん氏は4人のお子さんをもつ、子煩悩なお父様です。本書は教育論のような形をとっているように見えますが、お子さんに対するあべっかん氏の深い愛情を感じる心温まるエッセイです。

 1トピック数ページで完結しているので、どのページを開いても、どこで読むのをやめても、優しい気持ちになれると思います。印刷された書籍と違って、電子書籍は簡単な操作でランダムに開けないのが少し残念です。

■プロモーションビデオも用意した周到な販促活動

 あべっかん氏の出版は少し前からリークされていましたが、一番驚いたのは「まだプロモーションビデオの撮影が残っている」というひと言でした。これには「やられた」という感じがしました。

 筆者も電子書籍で1冊出版していますが、恥ずかしながらプロモーションビデオには考えが至りませんでした。逆に、Google Ad Wordsで広告を出すという、意味のないことをしてしまったことはあります。

■自分の子育てを振り返る

 筆者には成人した二人の娘がおり、もう子育ては終わっています。本書を読んで、「自分は、あべっかん氏のように愛情をもって子どもたちに接することができただろうか?」と考えさせられました。知的な刺激を受ける機会は、それなりに用意したつもりですが、果たして十分だったのかどうかとも思わずにいられませんでした。

■「断言」がやや気になる

 筆者が愛読している「理科系の作文技術」(木下是雄、中公新書)では、ひとつの章を割いて「はっきり言い切る姿勢」を説いています。「姿勢」というだけあって、ほぼ精神論なのですが、言い切るからには裏付けが必要なことは言うまでもありません。

 本書は「だ・である」体の文章ですが、あべっかん氏の意見や見解と思われる内容についても「〜(はず)だ」になっているところが散見されたのが少し気になりました。そのような箇所については、「〜だろう」とか「〜だと考えている」など、意見であることをはっきりさせた方がよかったと思います。

■余談

 余談ですが、残念ながら「理科系の作文技術」にはKindle版がありません。筆者はやむを得ずKobo版を購入しましたが、同書を購入したのは実はこれで3回めです。本を置くスペースがなくて、過去買い求めた書籍は処分してしまいました。今の住まいにはほとんど本が置けないため、基本的に電子書籍で買い求めています。
 筆者はKindleをメインに使っていますが、KoboにはKindleに対する優位性もあります。あまり詳細に立ち入るのは、今回の記事になじまないので改めて簡単にまとめようと思います。

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