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これがチームか?・・・中日ドラゴンズがおかしい

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これがチームか

バスケットのワールドカップで、日本チームに「チーム」の在り方を示してもらったが、これとは対極的なチームがプロ野球にあった。中日ドラゴンズ。これはもはやチームとしての体をなしていない。8月27日におこなわれた中日ドラゴンズと横浜DeNAベイスターズの一戦。2-8と横浜がリードした9回、中日は近藤投手を送った。近藤投手は1イニングで10失点。62球を黙々と投げ続けた。その姿に中日ファンは罵声を浴びせることなく、精一杯の声援を送った。ひたすら投げ続けるその姿にいつの間にか横浜のファンも声援をおくるという状況になった。

しかしながら、中日はベンチから監督もコーチもベンチから一歩も出ずにいた。捕手もマウンドに行かなかった。内野からただ一人声をかけたのが日本ハムから移籍してきた野手。

なんとか3アウトを取り、ベンチに引き上げた近藤投手を出迎えたのは、移籍してきた選手だった。62球を投げている間、コーチの制止を振り切りベンチからブルペンに向かったのがマルチネス投手と藤嶋投手。近藤投手はベンチ前で、戻ってきた野手全員に申し訳なさそうに頭を下げていた。中日が攻撃中はベンチの最前列でバッターに声をかけていた。こんな悲しい試合があっていいのか。

試合後に勝利投手となったバウアー投手は、インタビューで真っ先に近藤投手にコメントした「質問に答える前に、近藤投手に一つ言わせていただきたい。どんなにいい投手でもこういう日がある。誰もがこういう経験をしている。落ち込むことなくこれからも前を向き続けて欲しい」

立浪監督は近藤投手を出迎えることもなく、チェンジの時は誰よりも早くベンチ裏に消えた。「酷なことをした」とメディアに語ったようだが、その気持ちがあれば、近藤投手に何か一言かけてもいいだろう。中日というチームはどうなってしまったのか。

IMG_5509.jpg93日、ソフトバンクの森投手は「助け合いだと思います」とエラーした選手をかばった。

助け合うのがチームならば、中日はもはやチームとして機能していない。近藤投手のような若くて一生懸命に頑張っている選手たちが気の毒でならない。

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