チャイルドシートに全面の信頼を置いていた自分を思い出す
自分の子供二人は既に成人しているので過去の話になるのですが、それぞれがまだ小さい時期の車での移動の際にはチャイルドシートに全面の信頼を置いていました。二人が最初にそれらに乗ったのは、出産後に初めて家に戻るとき。当然ですが座れません。なのでバスケットのような幼児用のもので、最初はほぼ水平に後部座席にシートベルトで固定して置き、その後首が座ってきたら前向けにして少し立てる形にする物でした。そしてその後、いわゆるチャイルドシートに替えて10年近く。
それが不要になるまで大きくなった時期すらはるかに昔の話なのですが、そのころの事を思い出すような事故の報に触れて、なんだかいたたまれません。
福岡で起きた軽自動車の事故
お母さんと7歳/5歳の二人のお子さんが乗車されていて、残念ながら二人のお子さんがお亡くなりになった事故の報道を見ました。
なんだかいたたまれません。
ただ、前席のお母さんが負傷されていて小さなお子さんが亡くなったとなると、最初に思い浮かぶのは「チャイルドシートに座っていなかったのか?」という疑問です。勿論事故の状況によってはチャイルドシートでは負傷やそれ以上の状況を防ぐことができない場合があるのは百も承知です。ただ、各方面の報道で見る限りどうしようもないような壊れ方をしているようには見えませんでした。
お子さんが亡くなったという状況自体は人の子の親として、もうその報道だけで痛ましくてたまりません。
でも、いったい何があったんだろう...
私が気にしても仕方ない状況ではありますが、でも心のどこかで引っかかるものがありました... が... 続報でシートベルトを直接着けていたという話を聞いて愕然としました。
「それは無理だ...」
自分がやってきたこと
自分の子供については身長が関係各方面の推奨の140センチを超え、肩のシートベルトが首にかからなくなったのを確認するまで乳児からずっとその時の体格にあったチャイルドシートに絶対に座らせていました。
最初の子が生まれた頃はBMWに乗ってた時代なのですが、前述のように首の座らない乳児のときはバスケットみたいなやつを使っていて、その後は2001年に発売されたBMWの純正のチャイルドシートを使っていました。今売ってるものとはデザインその他ちょっとだけ違うのですが基本は同じで、背の高さ調節できるし小さいときは腹に抱えるアタッチメントがつくやつで、3歳くらいから140センチを超えるまで使えた物でした。因みにWebサイトで探してみると今販売されている物は対応できる身長の幅を狭くした複数のモデルとして扱っているみたいなのですが、当時のはアタッチメントの追加や取り外しで3歳くらいから成長に対応していました。
で、ふたりともこのチャイルドシートにずっと座らせていました。
絶対に座らせていました。
更に言うとたとえ駐車場の中での駐車位置の移動とかであっても乗っている限りは座ってベルトをきっちり締めるまでは絶対に車を動かしませんでした。
これは誓って断言できます。誰に誓うのかは謎ですが、少なくともカミさんに対しては「そうだったよね」と再確認できます。
因みにBMW純正というと高そうに思われてたのですが、少なくとも当時は世間一般で普通に売ってるメーカーのものと比較すると高くはない商品に分類される価格で販売されていて、その当時の商品の扱いと価格設定は「子供のための安全装備なのだから利益をそこから得る発想がボボ無い」という理由だと親しかった当時の担当営業さんからお話を伺っていました。
結果的に自分はそれを購入し、また知人等にそれを話したら国産車含めBMWではない車に乗ってる人の何人かにディーラー紹介してと言われ、実際に数人がBMW純正(だけど他のメーカーの車にも装着可能)のチャイルドシートを買ってたりしました。
因みに何をどういう基準で選ぶかはそれぞれだと思いますが、そもそも何年も使うものですし、命を預かるものですから安いだけを基準に考えるべきものではないと個人的には今でも思っています。ただ私の話はもう20年近く前の話ですし、BMW社が今でも純正チャイルドシートを取り扱っているのは知っていますが今の販売姿勢その他について何かしら私が担保するものではありません。世の中にはほかの選択肢が山の様にありますから、あくまでも私の昔話として聞いて頂ければとは思います。
ただ、親として、あるいは人として子供の安全を考えるところは誰しも変わらないと思いますが。
そもそもシートベルトしないとクルマを動かさない自分
私が自動車の免許を取ったのは大学に入った年、「高速道路の前席シートベルト義務化(1985年の改正道路交通法)」になる前の1981年で、一般道路についてはシートベルトは努力目標みたいな時代でした。その頃の車ですが、シートベルトということでいうと時代的にリトラクタブル(するすると引き出せてショックが入るとガチンと固定する、今の普通のシートベルト)以前の純粋にシートに縛り付けるシートベルトが多かった時代で、実際自分の親が乗っていたのはそういうクルマでした。
ただ自分的にはシートベルトで体を縛り付けた方が飛行機に乗ってるような気分になる感じがして一般道でも基本はシートベルトを締めあげていましたし、勿論事故った時のことを考えて少なくとも助手席に乗る人についてはシートベルトを絶対にお願いし、確認してからでないと走り出さなかった人でしたね。
昭和末期のあの時期では、ある意味珍しい部類の人だったかもしれませんが。
産まれた時から例外なくクルマに乗るときは身体をベルトで固定するという刷り込みは大事
そしてその延長で絶対にチャイルドシートに座ってベルトをきっちり締めないと車を動かさない人だったので、結局彼らも産まれた時からそういうもんだということで嫌がることもなく座ってましたし、実際嫌がった記憶は殆どありません。
更には彼らが幼稚園の頃に高速道路渋滞最後尾で追突されて結構大事になった事があったのですが、そのときにもチャイルドシートのお陰で自分たちが無傷で済んだという経験もあったお陰で尚更絶対に座る癖が付いてたのを思い出しました。
因みにたまたまこの報道を見ながら息子や娘に「チャイルドシートとシートベルトって小さいころ嫌だとか思ってた?」と聞くと「全然。それはそういうもんだと思ってたし、チャイルドシートあると揺れようが何だろうが安心して寝れたし」
確かに二人とも車に乗るとわりと直ぐに寝てました。
いや、でも、動機はどうでも良いです。そんなもんだと思って育ってくれていたら自分が将来親になったと場合に同じように行動してくれると信じれますし。
チャイルドシートは絶対に必要
- 少なくとも140センチ以下くらいの身長だと腰のベルトを腰の位置には保持できず身体が前に滑ってシートベルトの下に潜り込んでしまう。
- そうなると当然肩のベルトは首にかかってしまう。
- だからといって腰のベルトだけにすると衝突時に腰のベルトの下から前に滑り出してしまう。
- 更に言うと、子供の骨格と腹筋は腹のシートベルトが食い込むのに耐えられないし、肩のベルト首にかかると重大なことに繋がるから、十分な身長が無いならチャイルドシート無しでシートベルト直装着は絶対にダメ。
- 体格にあったモノをきちんと使うこと。
- とにかくチャイルドシートそれ自体と子供をキチンと座席に固定すること。
- 助手席エアバッグが通常通り機能する状態なら展開した時に全身を圧迫して重大なことに繋がるから、助手席にチャイルドシートをつけるのは絶対に駄目。
例えば街中でシートベルトなしで子供が車内を歩き回るワンボックスとかを見かけたりすると「お前は殺人未遂じゃ」と叫びたくなります。
例えば助手席にチャイルドシートが乗っていると大丈夫なのかと心配になります。
今回報に触れた福岡の事故について私が何かを言う筋合いは全く無いのは理解していますし、少なくともシートベルトはしていたという部分で親御さんの安全意識がゼロではなかったとは思います。
しかしながら、とても痛ましくとてもとても残念な事故であるとは思っています。
---iwa