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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

日曜大工作業にまさかのインチ工具出動

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今の、L1/L2レベルでネットワーク関係の機器を触るというお仕事の関係で必要な工具は色々持っていて、仕事なので最低限必要なものは会社から支給されるんですが、どうしても使いにくい部分があるので結構自分で気に入ったものを買って使っていたりします。もっとも土木や建設、あるいは電気系でも強電(電気周りですね)の職人さんとは違って弱電屋と分類される通信系の仕事なのでそれほど大げさではありませんが、それでも現場の状況次第では腰に箱型の工具ケースや工具差しをぶら下げて現場をウロチョロしてることはあります。

回線やルータの障害を秒で解決する昔はマーケだった人とは私のこと

秒で解決はまぁ言いすぎですけど、実はこのブログに書いている内容の変遷もそうですけれど、過去には主に法人系のマーケティングコミュニケーション屋をやっていた私、今でいうIT系の世界ではありますがかつては研究開発系から現場のエンジニアリングの話が通じてメインフレームの構成作れてインストレーション / システムオペレーション / デモンストレーションまで一貫してやるマーケな人を標榜していたのですが、気が付いたら通信業界でベッタリL1/L2の現場というのは、まぁ人生色々ではあります。
でもお蔭で障害対応に臨むと非常に短時間で解決を求められる最終兵器として現場投入なんて割と普通にあったりしますし、たとえばHUBを見た瞬間に「ループやん」とケーブルざっくり辿ってチェックして最後に人差し指と親指でケーブル一本抜いてループ解消→誰がこれ挿したんですか?と現場聞き込みやっても絶対に犯人は解らないので「知らないケーブルをエイヤで挿すとかやったらまた全断ですよだから触んないでね」と言い残して帰るとか現実にあります。でもそれも実のところは "30年とその場での秒で解決" の世界で、でもその対応のための行動原理とか何をおかしいと思って対応するのかとかのノウハウを継承するのが本当に難しいのを身をもって感じています。AIに任せたら?とか言う話もありますが、方法論や解決策は出せてもAIのシステムは物理的に手指を持っていない=L1/L2の世界では最後は使えないんですよね。そしてそのL1/L2の世界がちゃんとできていないとAIだVRだ何だって存在できないよねと思ったりしつつ長尺のLANケーブル切って現場の長さに合わせてプラグ付けたりしてるわけです。

そして正直物理的にケーブル作るとかは勿論あまり出会う必要のない役割ですけど、その前提知識として必要な典型的なネットワークの動作原理に無線の話が混ざると全然対応できなくなる人が多くて、もちろん技術の話なので先々どうなるかわかりませんけど、物理法則に則った技術の根幹は変わりようがないので、そういうところの基礎知識を全く持たない(というよりそこの重要性を全然理解しない組織の問題かもしれませんけど)環境って先々厳しいよなとちょっとだけ思っています。年齢的に今更自分自身はどうしようもないのですが、継承できるところに継承できることは継承していきたいと本気で思っている今日この頃です。

工具の話に戻りますが

で、ちょっと遠回りしましたが、工具の話。

過去インチ規格のボルトが付いた機械を触ってた時期があったおかげで手元にはミリの工具だけじゃなくインチのスパナとボックスレンチのセット持っています。1インチ以下のサイズのSnap-Onのピカピカのセットで、もう30年くらいそのレンチを使ったことは殆ど出番がありません。そりゃそうです。日本で暮らしている分に身の回りにあるものは基本メートル法の世界なので。

でも手放すのは何だか惜しいんです。

方やミリの25ミリ以下のスパナとボックスレンチのセットはこれまたピカピカのKTCのセット。こちらは時々出番があるのですけれど、でも弱電屋がボルト締めるってせいぜいラックの組み立てとか増し締め作業くらいだし、ちょっと前までやっていたLANなどの配線工事も組織の方針でやらなくなってしまったので、本当に出番なくなってしまいました。

ニッパーやいわゆるラジオペンチといった握り物は今でもめちゃめちゃ使うんですけど、支給品は使いにくいので自前のKnipexのいくつかとネジザウルスがあれば用が足りるレベル。
まぁ何であれ、要は道具の話なので、それが無くて困ったことになっていなければそれで良しという世界の話ではあります。

まさかのインチ工具の出番

... と思っていたら、本当に何十年ぶりか、いきなりインチのボルトやネジを触る事案が発生しました。

なにかと言うと、ユーザー組み立てのちょっと大きな家具を買ったのですが、

  1. なんで日本国内の販売店から買った自分で組みたてる系の家具のビスやボルトが全部インチなんだよ(ミリの6角レンチが合わずボルトのネジピッチもずれてるのが組み立て始めてから発覚
  2. 梱包シクってたみたいで同梱ネジが足りなくて追加送付お願いしても時間かかるから絶対にインチ規格ネジ置いてるところまで行くはめに
    (部材に埋め込まれるインチのナットに合わせるために足りないインチのネジというかボルトを調達
  3. クソみたいな工具が付属してきたけどクソなので自前のインチのソケットレンチ(&ラチェット)と6角レンチが大活躍

という事態に。
必要であればそのために使いやすい工具を探すという事はしますが、別に工具マニアではない私。そもそもこんなことが人生の中で再び起きるとも思えないのですが、それでも手放せなくなってしまいます。

何にしろ、とりあえずちゃんと組みあがってよかったと本気で思った経験でした。

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