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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

【暴論】 あなたの最大の成功体験は、プロフェッショナルにとってはひとつの事例に過ぎない

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ちょっと禅問答みたいなお話です。

機会があれば自分の経験やら何やらを惜しみなく提供する事を旨としている私ですが、時々ご自身の最大の成功体験を元に「こういうやり方でこうしたいんだよ」という主張に出くわす事があります。もちろんそれらを否定する必要はありませんし、実際に非常に大きな成果を挙げたケースであれば尚の事、それを踏まえて「より良くするためにどうすれば良いのか」というトコロを掘り下げて取り組むのですが、たとえば基礎的な条件が異なるのに同じやり方を踏襲しようとする方と巡り合ってしまうと、やはりちょっと大変な事になります。

 

いや、別にプロフェッショナルな俺の言うとおりにすりゃいいんだ!とか騒いだりはしませんが

もちろん内容によりますが、たとえば自分が過去に種類も場数も踏んできた類のお話に関わるときには、目の前の条件や状況を踏まえつつ「今のこの条件で最大の効果を出すにはどうしたら良いか」という視点で考えます。そりゃ当然です。

で、私の場合、実はそこで一番参考になるのは成功例よりも失敗例で、踏んではいけない地雷がどこにあるか、どうやってそれを避けつつ最大効果を出すかということを一生懸命考える部分が結構大きな割合を占めます。もちろん成功体験は大事なんですけれど、成功例も失敗例も全部含めて自分の持つ引き出しのどれと近いのか、今回はどの引き出しを開ければよいのか、その中身との差分をどう理解して目の前の状況に対する最大限の効果を出すのかってところを考えるようにしています。

結局のところ、成功体験はひとつの事例でしかないという理解です。

 

もちろん成功体験は大事です。

それが無いと、何がどうなったら上手く行くのか判りませんし、評価も定まりません。ただ、実際良くあるのが成功体験を踏まえて「こうすれば良いんだよ」「こうするべきなんだよ」と思い込んでしまうこと。これは多分に自戒をこめた話なのですが、そこに一度居座るとダメになってしまう気がするんです。そりゃ楽です。たとえば誰かに指示をするときに、言ったとおり出来ないとか、(過去の成功体験を踏まえた)思ったとおりの成果が出ないとか言っちゃえるんですから。

でも、得てして実はそのときと前提条件や環境が違うことを忘れてしまって、目の前に見える結果だけを覚えていて、それに固執してしまいがちになる… 事があるんじゃないかな… とか色々と。

 

別に愚痴じゃありません。一般論です。一般論。

例えば自分自身がプロフェッショナルであると(自分の中だけででも)思えることに取り組むとき、自分の中の意識は「所与の条件の中で最大の結果を出すこと」の一点に集中します。もちろんこれは人それぞれですし、それを誰かに押し付ける気もありません。誰しも自分のやり方があるわけですし、それは尊重するべきだと思います。違うことは違うと言いますけど。

何れにせよ、自分が強いと思えることに関しての経験や知識の引き出しは一杯ありますから、初めて取り組む人が四苦八苦するような事をあっさりと片付けたりしつつ、段取りも全部先回りして手を打ってあっさり進めつつ、でも自分が責任者じゃない場合には、責任者に花を持たせつつ自分の存在感だけはしっかり伝えておく… 実に嫌なやつです、私は(笑)

 

因みにプロフェッショナルってどういうところで定義すればよいのだろうという難しい話

これは業種業態その他諸々によって違うとは思いますが、たとえばマーケティング系の仕事が長い私がその部分で言うと、多分この一言に集約できると思います。

「お題が目の前に現れたときに、ゴールを意識したグランドデザインをキチンと描けるかどうか」

もちろん間違う事や上手く行かないことは一杯出てくるのですが、描いたグランドデザインにある物事の流れとの差分やイメージしているゴールの状況を常に評価し最終的に求められる結果を出せるかどうか。差分が評価できるということは途中のプロセスが見えてるという事でもあり、逆に言うと「素人」には出来ない芸当だと思っています。つまり、これが出来るのならばプロフェッショナルを名乗って良いんじゃないかと思っています。

 

とはいえ、じゃぁお前はどうなんだよ何を偉そうに言ってるんだよこのくそじじいとか言われると「すいません言い過ぎました」とか直ぐに言ってしまうくらいの気弱さの持ち主なのですが、でもその気概を失ったら身を引くべきなんだろうな位の事は思っています。

 

Comment(2)

コメント

ardbeg32

プロは前提条件や環境の問題で「ゴールを意識したグランドデザインを描けない」仕事に対して否定的に捉え、前提条件や環境をこう変えましょうとコンサルに走ると思います。
前提を変えるために費用や時間というマイナスが発生したとしても確実に成果を出しますし、出すからこそプロといえるわけで。
しかしそういうプロを雇ってる「素人」は、「なんで今ある条件で前向きに仕事に取り組まないんだ、あれやこれや言ってたら何時までたっても前に進まないぞ!」とわからないことでも手近なところから手を付け始めてプロを尻目に突っ走り始めます。
まあそういうやりかた(グランドデザインを考えずにとりあえず突っ走る)もひとつの成功体験なんでしょうけど、プロとしてどう対処すべきか呻吟の日々です。

突っ走った結果、それなり(あくまでもそれなり)の成果が出たらドヤ顔される程度ならともかく、高い金払ってるのにブツブツ・・・と言われたら立つ瀬がありません。我々プロがそれなりの成果しか出さなかったら激怒するのに。
逆に突っ走って案の定転んでにっちもさっちもいかなくなったら、そこからまた仕切り直しとか言い出して、結局プロが提示する前提条件を整えざるを得なくなり、しかし既に時間は消費しているから結局やっつけ仕事にならざるを得ない・・・。

結局のところ、プロがプロたる仕事をする為には、まずは素人の信頼を勝ち得ないと(よくわからんけどあなたにお任せします的な)駄目なんだという実にアタリマエのことだなぁと。

いわなが

ardbeg32さん、コメントありがとうございます。

やっぱり何処まで行っても結局信頼を勝ち取ることが大事なんですよね。

ちなみに手近なところから手をつけ始めて暴走しはじめる状況って割と最近も目の前にありまして結構困った状態なのですが、それをなんとか制御できる状態に持って行こうとしつつ、それでも時々穴を掘って首を突っ込んで色々と叫びたくなるくらいは良いですよね(笑)

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