課金モデルに注意しないと遭遇してしまうかもしれないクラウドサービスでのパケ死
いわゆるクラウド系のサービスがそれこそ雨後の筍のようにあちらこちらに立ち上がり、企業ならずともそれらのサービスを利用して現在のシステム環境を「よりよくしたい」と考える流れ、ってのは次の何らかのパラダイムシフトが起きるまでは続くんじゃないかとは思います。
ただ、これらの仕組みは基本的にデータセンターのサービスをオンデマンドで使うというコト。そしてサービスを利用する以上は何らかの対価としてのコストが発生します。課金モデルについてはサービスそれぞれで異なりますから一概にどうだという話はし辛いのでですが、そこに従量課金モデルが含まれる場合は、当然ですがそれなりに注意が必要です。その金額にビビッてサービス自体を使う事を躊躇するようになるとなんとなく本末転倒ですが・・・
TwitterのTLで見かけた「クラウドサービスでパケ死」という悲鳴
とあるサービス(一応ココでは名前を伏せておきます)をテストのために契約し、その後数日間ゴチャゴチャと使っていたら、あっという間に数十万円かかってしまい、エライコトになってしまったという悲鳴。従量課金ならではの話ではあります。
この手の話は、それこそケータイの世界で定額サービスが出てくるまでは普通にあった話です。現在では各通信事業者が色んな形での定額サービスを提供するようになりましたので、使いすぎた挙句に恐ろしい額の請求書を受け取る事は少なくなっていると思います。すくなくとも国内での利用においては。
逆に言うと、今現在は国内での定額メニューが通常は海外利用分には適用されないため、音声通話での着信側課金、ローミングで使う場合の通話料単価、そしてメールなどを受け取る際のパケット課金などが想像を絶する金額になることもあります。一部の通信事業者で海外利用分についても定額サービスする方向で検討、みたいな話はありますが、今のところはこういう状況です。
で、問題は、従量課金であることを余り気にせずに使っていた事、そして更に課金対象になるオプションが非常に簡単にチョイスできる仕組みが結果的に仇になってしまったという事例があるみたいです。
他山の石として
ストレージの量、プロセッサーの確保量、データ転送量など課金対象となるカテゴリーは多岐に渡ると思います。これはサービス提供側の状況次第ですが、それぞれに細かく単価を設定し、利用した分だけ払ってくれれば良いですよ・・・ということは、使えば使うだけお金を取るぜという話であるわけで、ここはリースなり何なりでシステムを利用するコストがバケツになり勝ちな自営システムとは大きく違うところだと思います。
かく言う私、新卒で就職した最初の会社での最初の仕事はデータセンターの営業でしたので、この従量課金の恐ろしさってのは身に染みています。例えばあるお客さまが作成した処理プログラムがループしてしまい、管理システムがループを検知して自動で止まるまでのホンの一瞬の間に数千万円の請求書明細が叩き出されてエライコトになったという場に居合わせたこともあります。結果的にチャラにするための各種の手続きに数ヶ月かかった記憶もあります。
定額サービスなのか従量課金なのか、あるいはその組み合わせなのか。いずれにせよ何らかのサービスを利用するということは、そのためのコストが発生するということであり、それが定型化できない用途の場合には見積もりが非常に難しいケースがある、というのは今も昔も変わらないよね、っていう話ですね。