トヨタがF1から撤退、という流れから見えるもの
トヨタがF1から撤退という報道が遂に流れました。既にホンダは撤退し、タイヤを供給しているブリジストンも2010年シーズンを最後に終了。かつて走る実験室と呼ばれたF1は色んな波に洗われてきたわけですが、こと日本企業とF1とのかかわりと言う意味では一つの区切りと言えるのかもしれません。
正式発表は4日の午後
このエントリーを書いている時点では正式なアナウンスは出ていませんが、各所で流れる報道では既に決定された模様です。富士スピードウェイでの開催を取りやめた事によってある程度予想されていたとも言えますが、経済環境やら何やらを考慮すれば、そうならざるを得ないだろうなという印象です。
ということで、理解はできますが、ちょっと残念なのも事実。
再度挑戦、みたいな話が将来的に出るとしても、多分違った位置づけになるんだろうなという思い
日本という国としてモータースポーツがどこまで一般的なものとして認知されているかという根本論はあるのですが、少なくともバブルの頃のF1ブームみたいなものは遥か後方に置き忘れてきた日本の状況の中で、非常に限られたファンに支えられつつメーカーが技術的なところで頑張るっていうのはとても難しい状況なのは、よく理解できます。
また、たとえばホンダにしても同じだとは思うのですが、既に市販車への技術的なフィードバックという意味がかつてよりも非常に小さくなってしまった今のF1の世界にコミットメントし続け、リソースを割り振り続けるのは、企業として余りに負担が大きいのも容易に理解できます。
ひょっとしたら、今後ハイブリッドや電気自動車というカタチでの同じようなレース的なものが興隆を迎えることがあるかもしれません。今後のクルマを取り巻く技術動向からすると、その場合にはかつてのF1が担っていたような実験室としての役割を持つこともあるかもしれません。
でも、それが興行として成立するかどうかは別の問題。正直、電気自動車がひたすら静かに高速でサーキットを周回するってのは、私個人としては何だかなぁ、というキモチを持ってしまいます。やっぱり爆音を響かせて技術の限界ギリギリで100分の1秒のタイムを刻んで走る姿って方にキモチが傾きます。
ただ、それも単に郷愁という部分でしか無いのかもしれませんけど。