貯金志向
今の若い人はさ・・・と言い出すと歳を取った証拠かもしれませんが、昨今の経済状況やら何やらの流れの中で、若い人に貯金志向がとても強くなっているという話はよく聞きます。まだ若いんだし、今しか出来ない金の使い方ってのもあるんだしさ、とか言ってはみますが、そんな自分は昔はどうだったんだ?
使う以前に金が無かったのですが
学生時代は関西で自宅だったのですが、就職していきなり一人暮らし。寮も社宅も無い会社でしたし、色々理由があって住宅手当も微々たるものだったので、特に入社2年目くらいまでは大変でした。今だから言えますが、1Kのアパートの家賃やら光熱費を払うと手元に三万円しか残らない月ってのが結構続いて、冷静に30日で割ると一日千円。さて、どうやって暮らすかと真剣に考えたものでした。
この話、あまり信じてもらえませんが、実際そうだったんだから仕方が無い。当時の勤務先の制度上の問題とかもあって(これは同じような境遇の人間が結構いて、みんなで暴れたのでその後の年代では改善されてゆきましたが)全く持って貯金どころの話ではないのですが、とにかくそれしかない。動くとおなかが空くからと最初の頃の土日は家のなかでポツンと座っていたのですが、これではなんだか変になりそうだったので、そんな生活も半年過ぎた頃に一念発起してローンを組んで自転車を買いました。当時は京王線の千歳烏山駅近くに住んでいたのですが、その自転車で成城から田園調布辺りまでよく走ったものです。
冗談抜きでやせ細りましたが、まぁ、そんなお金の使い方をしたこともありました。
実は給料から天引きで毎月少しずつ定期に放り込む
とりあえず給料は少ないのですが、やっぱり不安だったのは今の若い人と同じ。ってことで、とりあえず毎月薄給の中から一万円だけ自動的に積み立て口座に放り込み、一年経ったら定期に自動的に移るってのだけは最初からやってました。ただ、感覚的に貯めるというのではなく、非常時のための最低限の保険、みたいな感覚でした。そんな事を考えつつ、何とかしてきたってカンジでしょうか。
飲んで、飲んで、飲まれて・・・って程ではないのだけれど
で、そのうち少しずつ給料が上がってくると今度はひたすら知人と飲み歩くようになりました。当然豪勢に飲めるわけも無く、麦酒とツマミと焼き鳥を2本、とか、そんな感じです。でもその頃、そうやっていろんな人といろんな話をしたのは後々まで役に立っているのは事実です。酒自体は大好きなのですが、飲みに行くという行為よりも人と話をしたい、という感覚でした。そんな事をしつつ、何とかしてきたってカンジでしょうか。
さすがに30過ぎてからは少し考えるようになりましたけど
これは性格の問題でしょうけど、私の場合、貯めてから使うっていうより使ってから払うほうが気分が楽な破滅的な人のようです。でも本当にそればっかりだと大変なことが起きるので、積み立て口を少し増やすとかして自由に使えるお金を絞るってのだけはやってました。クレジットカードを使うようになると少しタガが緩むこともありますが、まぁそこはバランスの取り方ですね。貯めるっていうよりも、知らんうちに少しくらいは貯金が出来るようにしておく、みたいな感覚でした。そんな事をしつつ、何とかしてきています。
やっぱり最初から「貯めるぞ!」ってのは、なんだか機会損失のような感覚
ある意味、正しいのだとは思います。ちゃんと計画性を持つことはとても大事だし、たとえ貯めること自体が目的であっても良いことだとは思います。ただ、40も半ばを過ぎて思うのは、若いうちだから出来る金の使い方があるわけで、とりあえず貯めるってのを目的に貯金に励むのはどうかなぁ・・・と、やっぱり少しくらいは思います。
もちろん経済状況の問題などは理解していますし、一概に若いうちは散財するもんだよみたいな事は言いません。そもそも貯金の理由は人それぞれですから、私なんぞが四の五の言う話ではありませんし。
時代の価値観、世代ごとの価値観、そして年齢なりの価値観。
理由、経緯、そして目標。
どれをとっても正解は無いので、それぞれがそれぞれだと理解するのがひとつの立ち位置だとは思います。そんな事を考えていると、やっぱりこんな記事に目がとまります。
正解は無いからこそ、考える。少なくとも、そういう姿勢は持ち続けたい、そんな事を考えつつ、自分自身何とかしなきゃ。