野田首相がとてつもなく優秀な総理で景気回復に大成功したとします… #asacafestudy
おはようございます。
今朝は雲が支配的な空でした。早朝ウォーキング時の星空は見えませんでした。
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昨日の朝カフェ次世代研究会は、永井さんのご招待でライフネット生命の出口社長のご講演でした。出口社長、とても明快なロジックで物事を単純に説明してくれました。
例えば、「年をとったら『お金に働いてもらう』」と言いますよね。
これは具体的にはどういうことなのか。
年をとった男性が若い女性に「お寿司でもどう?」とか、「おいしいイタリアワイン飲みにいく?」とか。このように誘い出すと成功するのですね。女性はその人自体に魅かれてついて行くわけではなく、別な目的でやってくる。
それが『お金に働いてもらう』ということだと。
「なるほど!」と思いました。(笑) その出口社長の明快な話題をいくつか。
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「例えば野田首相がとてつもなく優秀だったとしますね。
そして大成功して景気回復をさせるとします。
1989年。日経平均が4万円を超えていたバブル絶頂期。
そのレベルにまで回復できたとします。
さて、はたしてそれで財政赤字は無くなるのでしょうか?」
改めて聞かれると、普段何も意識をしていなかった自分が恥ずかしくなります。
「今の国家予算は約95兆円。そして、税収入は約40兆円です。
その差が50兆円。大まかには差額を国債で補っているわけですね。
そして、バブル期の頃の税収入が60兆円だったそうです。
つまり、野田首相がどんなに優秀で景気をバブル期時代にまで回復させても、
30兆円ほどの赤字は無くならないということです。」
だから景気回復待望論は無駄だと。明快に結論づけるわけです。
では、支出を減らすことができるのか。
「支出の中で一番多い医療保険。29兆円ですね。
皆さん、どれだけ削減できると思いますか?
1割と思う人。では、2割と思う人。」
そう言って皆に挙手させます。パラパラと手は上がりますが、3割削減となるとまばらです。
「では、野田首相がものすごく優秀で辣腕を奮って3割削減したとします。
それでも約9兆円の削減にしかなりませんよね。
他に多いのは5兆円単位の文教、自衛隊。どれも削減シロは少ないですよね。
だから赤字の差は縮みこそすれ、解消はできないわけです。
高校生でもわかる算数ですよね。
ところがそれがまっとうに議論されていない。」
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様々な話題で軽快にお話は進んでいきました。あまり種明かしをしてしまってもいけないので、これくらいにしておくとして、最後の質疑応答でのやりとりをご紹介しましょう。
大塚さんが質問をします。
「毎年50兆円の財政赤字がこのまま蓄積していくとしますよね。
そしてあっという間に10年経って、500兆円とかの財政赤字が積み重なる。
1500兆円の累積赤字。するとやはり日本の国債もデフォルトになる、
とかっていうことが発生するのでしょうか?」
それを受けて出口社長はにこやかに言います。
「よく、『人は自分のことが一番分かっていない』といいますよね。
国家も国内から見ていると分からないわけです。
でも今、円高です。日本経済は他国より安全だと見られている。
海外から見ると、なぜ日本が大丈夫だといわれている理由がわかります。」
そして続けます。
「日本の国債が国民にもたれているから。ということではありません。
借金は借金。国債は子供たちの世代に借金を先送りしているだけでだめです。
でも、海外では、『日本は大丈夫だ』と見ているんですね。」
「それは消費税を20%程度の適正レベルにまで上げれば、国家予算の赤字が無くなる。
そう見ているわけです。どの国もものの売買にかかわる税金って15%とか20%とかいう
レベルになっています。日本もそれを実行すればあっと言う間に健全になる。
財政赤字は解消できる。だから、『日本は大丈夫だ』と見られているわけです。」
「『消費税を上げたら景気が冷え込む』という理屈もありますね。
だったら消費税を毎年2%ずつ上げればいいのです。
そうすれば駆け込み需要が毎年発生するわけです。景気が冷え込むことはありません。」
「税金でいえば、相続税を100%にする。
そして生前贈与を促進して子育てで支出が多い世代にお金が渡るように贈与税を0%にする。
こうすれば景気は回復します。」
次から次へと明快な論理が展開されました。
「日本の将来は明るい。大丈夫です。」
このように笑顔で言い切るのです。
出口さん、お勧めの本は、「ちきりん」さんの『自分のアタマで考えよう』だそうです。偶然にも先日Amazonで買ってあったのがちょうど届いたところでした。楽しみに読みます。
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さて、朝カフェ次世代研究会、昨日は6時半スタートなのに40名を超える参加者でした。素晴らしい刺激をいただくことができました。ありがとうございます。
また社内からのサポートもありがたいです。前日に机と椅子の配置をその人数に合わせておいてくれた人たち、当日も私が万一来られなかった場合のバックアップとして、6時前から待機してくれていた人もいます。さりげない社内アシストに感謝です。出口社長には社内勉強会の講師として一度いらしてもらいますね。楽しみにしておいてください。
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