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組織開発・人財開発・IT・ビジネスについて、日々、感じたことをつづります。

指示待ち人をツクルのは、指示出し人の『無意識なダメ出し』 

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「指示待ちをなんとかしてほしい」
「自主的に動く人にしてほしい」

組織開発・人材開発のシゴトで、幾度となく依頼されてきたリクエスト。
このリクエストをもらうたびに思うのは、原因の多くは、指示を出されるメンバー側ではなく、指示を出すマネージメント側にあるということです。そして、そのことに気づいていない組織やマネージメント層が多いということです。

「マネージメント側の言行不一致」

この問題の根っこには、マネージメント側の言行不一致があります。
よく見受けられる例は、以下のようなパターンです。

「分からなかったら、いつでも質問して」と言っておきながら、質問されると「ちゃんと考えた?」「もっと自分で考えて」と言う。
「自主的に動いて」と言っておきながら、自主的に動いたことに対して「認識が違います」「考えてから動いて」と言う。
私は、これを「無意識なダメ出し」と呼んでいます。

「分からなかったら、いつでも質問して」と言われている状況で、分からなくて質問しているにも関わらず「ちゃんと考えた?」と言われてしまう。
「自主的に動いて」と言われたから、自主的に動いたのにも関わらず「認識が違います」と言われてしまう。

このようなことが繰り返されると、「何を基準に質問していいのか?」「どのように考えて動けばよいのか?」が分からなくなります。言行不一致で、基準が分からない状況では、メンバー側が「指示待ち」になったり、「自主的に動くこと」ができなくなったりするのも無理はありません。

そして、この問題が厄介なのは、指示を出すマネージメント側が「無意識」にやっていることなので、原因が自分にあることに気づいていないのです。

『椎野のジグソーパズル理論』で実現する「心理的安全性」と「チームビルディング」に書いたとおり、メンバーから「ちょっと、いいですか?」「お手すきの時に時間をいただけますか?」と相談された場合、基本的には、すぐに対応します。(どうしても対応できない場合は、具体的に何分後でと伝え、必ずその時間に対応します。)
また、その際、相手がどのように考えたのか?相手の思考プロセスを丁寧に聴くということを大切にしています。

具体的には、「分からないことが分からないのか?」「どのように考えたのか?」「どこまで理解できているのか?」を丁寧に確認していきます。
一見すると、時間がかかるように思われるかもしれませんが、相手の思考プロセスを丁寧に聴くことで、相手の思考パターンを理解することができるので、誤解を招きそうな部分を、誤解を招かないように指示を出すことができるようになります。まさに、急がば回れといった所です。

「指示待ちをなんとかしてほしい」「自主的に動く人にしてほしい」と思ったことがあるマネージメント側の皆さん

まずは、ご自分が「無意識なダメ出し」をしていないか?

ぜひ、ご自分の言動を振り返ってみては、いかがでしょうか?

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