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あなたは『交渉』が得意ですか?それとも苦手ですか? ~会見から考える感情の存在(EQ:Emotional Intelligence Quotient)~

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読者の皆さんは、『交渉』が得意ですか?それとも苦手ですか?

◆『交渉(Negotiation)』の必要性

『交渉』はコミュニケーションの1つであり、ビジネスの場面だけではなく、日常生活においても必要になることは多くの方がご存じかと思います。世界経済フォーラム(World Economic Forum=WEF)(通称:ダボス会議)で発表された、2020年にビジネスパーソンに必要とされるスキルの第9位も『Negotiationです。
The 10 skills you need to thrive in the Fourth Industrial Revolution

このように、交渉(Negotiation)」は、ビジネスパーソンに必要とされるスキルの1つですが、日本では、『交渉』を苦手だと感じている方が多いと言われています。その理由は、海外では、ハーバード大学法科大学院の交渉学プログラム(PON)に代表されるように「交渉(Negotiation)」を学問として研究したり、学ばれたりしていますが、日本では「交渉Negotiation)」を学問として学ぶ場がほとんどないからだと言われています。

◆交渉に対する誤った考え方

私は「交渉」が決裂している場面に遭遇すると、日本人の多くは「交渉」を正しく理解しておらず、「交渉とは、勝つか負けるか」であり、双方が「自分の意見が通ること」を目標においてしまっているように感じています。
そして、人の和を大事にすること ≒ 交渉をしないこと と考え、「交渉」は日本文化に合わないと考えたり、相手に勝つための駆け引きばかりを考えたり、結果として相手を傷つけ、望まない結果をもたらしていると思います。

「交渉」の基本的な考えは

  1. 相手との関係を壊さずに
  2. 双方にとってより良い
  3. 実現可能なより賢明な合意を効率良く得る

ことであり、これはハーバード大学のロジャー・フィッシャー教授らが提唱し、「関係構築型交渉術」と言われています。

「交渉」が苦手と感じている方々にコミュニケーショントレーニングを実施すると、「頭では理解できるけれど、実行するのは無理」「理想と現実は違う」など、最初は諦めの言葉を口にされています。ところが、「交渉」を学び、相手の意見をしっかり把握しながらコミュニケーションを深められるメソッドを身に着けると、「自分の意見(主張)か、相手の意見(主張)か」といった二者択一ではなく、双方にとってより良い「賢明な合意」ができるようになっていきます。

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◆『交渉』のベーススキルである『感情知性(EQ:Emotional Intelligence Quotient)』

私は、「交渉」が得意になるためには、いくつかのスキルを身に着ける必要があると考えおり、そのベーススキルの1つが感情知性(EQ:Emotional Intelligence Quotient)だと思っています。

この数日、芸人の方に関係する記者会見を見ながら、『感情』への対応力、感情知性(EQ:Emotional Intelligence Quotient)を磨いておけば、このような状況になる前に、双方にとってより良い「賢明な合意」ができたのではないか?と感じでいます。

また、「交渉」の前提として、互いに『誠実』であること(ウソをつかない。約束は守るなど)があげられますが、今回の問題は、最初の「ウソ」に対して、「本人達の言葉を信用する」=「企業にとっても都合のよい状況」というバイアスがかかってしまったからではないか?と考えています。

望まない状況が起きた時こそ、

  • 表面的な言葉ではなく、その背後で何が起きているのか?
  • 「事実」はどこにあるのか?
  • 相手の「大事にしたいこと」は何なのか?
  • 相手の「不安」はどこにあるのか?
  • 「不安」を解消するために、企業として何ができるのか?

「交渉」は、決して「勝つか、負けるか」ではなく、双方にとってより良い「賢明な合意」をすることです。自分の頭の中(自分の考え)を理解してもらうために、明確な「言葉」を選び、相手の意見をしっかり把握しながらコミュニケーションを深めるスキル、それが「交渉」です。

会見の際に芸人のお2人が流された涙は、「社長なら分かってもらえる」と信じていた社長に対する失望の涙だったのではないでしょうか?(悪いことをしてしまったから)「子どもが謝りたいと言っているのを止めるのは親じゃない」という言葉に込められた感情を、もっと早くくみ取ってあげることはできなかったのでしょうか?

当事者ではないので「事実がどこにあるのか?」は分かりませんが、感情知性(EQ:Emotional Intelligence Quotient)を磨き、より良い「賢明な合意」ができることを祈りたいと思います。

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