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八〇后(バーリンホゥ) 世代と上海新市場

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「国際戦略(新興国市場への展開)が日本企業に残された数少ない成長戦略である」 出所:『経営戦略』 横山著 という言葉を実に痛感しています。

話の論点が変わるかもしれませんが、国力というものは何かということを改めて考えさせられます。かっては資源、地理的トポロジ、人口、民度といったものが教科書的にあったと思います。

しかし、80年代の電気製品で世界市場を席巻した日本は上記のパラメーターでは説明できないということが判っています。その原動力となったのが一説ではTPS(トヨタプロダクションシステム)による低価格での高品質製品の製造-いわゆるメイドイインジャパン-だったとも言われています。また、別の見方では米国の国際戦略上で非軍事国家の産業育成機会を自由経済陣営で設けたとするものもありました。

本当の理由は何だったのか、今後改めて研究する価値があると思います。

さて、隣国であり巨大国家である中国はまさに人口そのものが国力となりつつあるのでしょう。10年後のGDPは現在の2倍となりほぼ米国と拮抗する国になるという予測があります。

その中国で大きな変化が起こっていることをCDI上海オフィスから伺いました。ひとつには八〇后(バーリンホゥ) 世代が台頭してきていることでした。バーリンホゥとは1980年代生まれの若者という意味合いです。現在だと30歳前後の若者になるのでしょうか。この世代は中国が改革開放経済に移行して「市場経済とともに育った」世代であることから市場経済を素直に受け入れており、それまでの前世代の価値観を持った世代とは根本的に違うものを持っているようです。

さらに、国策としての一人っ子政策が始まった以降に生まれた世代であり、急速に経済発展し、所得伸長があった両親をもった一人っ子、つまり家計としての高い購買力を持った世代であり、このような一人っ子がなんと2億2千万人ほどいるようです。

勿論上海のような大都市近郊と、南西部とでは所得が10倍以上も異なるので一概に日本の若者と同等の購買力を持った人口が二億人いるとは言えないでしょうが、それでも極めて大きな市場があることは容易に想定されます。

日本にも団塊の世代やバブル世代という言葉がありましたね。バーリンホゥとはそれ以上インパクトがある中国の社会の変革がもたらされる気がします。

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