自動車がITになる日
自動車がITになる日
日産はハイブリッドに出遅れて、今後エコ競争において苦しい商品展開になるのではと最近まで考えていました。
しかし、先日「ゼロエミッションカー リーフ」を見て私の考えが間違っていたことに気付きました。
フル充電で200キロほど走行できて、高速でも140キロ出せるバッテリー駆動エンジンがあれば今までのメインのガソリンエンジンの補完であったバッテリーが主役になれるからです。
そもそもハイブリッドはエンジン車の加速性能、高速クルーズと低速でのバッテリー走行を両立させるためのものであり、いわばエンジンが2つついているとも考えられます。
しかし、バッテリー車の走行性能があがりさえすればガソリンエンジンは無くても良い、いや、コスト低減や重たいエンジンがないことによる斬新な車体設計の可能性が広がるということからも、無いほうが良いと言えるでしょう。
これまで「車」はエンジンの大きさや位置の最適化を試行錯誤してきた歴史であるといえるのではないでしょうか。スバルの水平対向エンジンは車の中で最も重いエンジンを左右対称の形にするという努力で車のバランスを左右完璧にすることを狙ったものです。
ガソリンエンジンが無い車はあたかもホストコンピューターが無いクラウドコンピューターでのグリッドコンピューティングのアナロジーの様とも思えます。
シリコンバレーでハイテクカーのベンチャーに資金が集まっていることもうなづけるでしょう。
一方、自動車の設計・製造がITベンチャーなどに大きく広がっていくことで、これまでの日本車の競争優位が失われるといった声もあるようです。
確かに大資本、垂直統合、裾野産業の広さといったビジネスのルールは小資本、水平分業、共通プラットホーム化の推進という方向性に多かれ少なかれ進んでいくものと思われます。どのようにマネタイズしていくかが、少数の例以外に見ない処もクラウドと共通点があるように感じています。
自動車はITC(ETCや安全制御)などからICTとの融合を進めて来ていましたが、基盤である車体そのものがIT化していく、その加速度は速まっていくでしょう。
写真は筆者が横浜日産ショールームで撮影 ボデイはマーチ、FITより大きめ。