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WIMAXのポテンシャル-MVNO

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2009年は日本においてMVNOイヤーになるかどうか。幕張で開催されたインタロップではMVNOへのサービスを予定している通信事業者の講演に人だかりが出来ていた。

総務省はMVNOを広く新規事業者が活躍する機会としてプッシュしているようだ。例えば課金・認証関連の市場規模はオンラインでは2007年が1800億だったものが2012年には3900億、モバイル決済では2007年が265億だったものが2012年には760億という予測数値を出している。

3.5G大国日本の事情は

ここで議論になるのが、他のMVNO先進国といってよいか欧米ではMVNOサービスはほとんどセルラーである点が一つ。更には2.5Gである点がもう一つ日本の2009年の状況と違うことだ。ワンセグ放送なども定着しており、いまさらスポーツがモバイルで見えますよというサービスを新しく出してもいけるとは思わないだろう。

一方日本では端末割賦制が変更されたとは言え、諸外国に比べ安価な端末はなかり安価で買える点も違う。我々調べで2006年から3年間で300万加入者増、計900万人という最も成功してるといえるTracFone Wireless(USA)は価格とスペイン語によるカスタマサポートというサービスが決め手のようだ。しかし日本ではこれ以上の低価格でもあまり訴求力はないと考えるのが当然であろう。

また、携帯端末出荷数が1億2千万を超えている状況では「もう一台買ってくれる」願望はどこまで現実性があるのか。ハレ用の、もしくはケ用のモバイルと使い分ける層はほとんど侵食済みではなかろうか

2.5Gへの根拠の少ない期待

加えて、我が国ではキャリアがまだまだ強い交渉力を持っている。MVNOに対してネットワークプラットホームを提供するキャリアが共食いを嫌い通話サービスには消極的になることは予測し易い。

期待されているのは開放された2.5Gでのワイヤレスコネクションサービスであろう。いわゆるWIMAX方式でのデジタルサイネージや認証決済などで「新たな」利用シーンを描けると強気の様子だ。テレメトリングやエレベーター監視やビル管理などでは確かに統合プロトコルでのリモートコネクションのニーズはありそうだ。

 より確実な市場があると思っているのはMNOに対してビジネスイネーブラーを提供するMVNEのビジネスであろう。少なく見ても2012年まではかなりの決済、顧客管理、端末管理、コンテンツ流通などのニーズが発生するだろうが、その数が予測しづらいことから、MNOたちも外部のMVNEの活用に頼らざるを得ないだろう。

 ただMVNEの実現には課題が多いだろう。最も大きい課題はMNOがいつまでMVNOサービスをやってくれるかという読みにくい将来性ではないだろうか

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