MVNOのビジネスモデル
■マイオンリーオペレーター
2時間の会議は夕刻には終わり、駐車場に止めた車の中で私の車と同じ色とブランドマークが入った特注の携帯電話を一振りする。私の声紋で認証をしてくれる私だけが使える機器。加速度センサーによりいつものオペレーターが出て用件を聞くのでパターン2とだけ答える。彼女は私の5パターンを暗記していてくれて、その番号だけで同時に3人との同時セッションを開いてくれる。彼女はさらに待ち合わせの店が変更になったとのことで地図を送ってくれた。私はそこで今日の会議の決定事項だけを本社の上司とコンサルタントに伝えた。コンサルタントはその場で2つの課題を指摘して、8時間以内に翌日の会議資料を準備してくれ、私の携帯に送るというので、私はそのまま約束の店に向かう。
こんなシーンが来年来るかもしれない。自分だけのための端末をカスタマイズしてくれて、専任オペレーターを配置してくれる。こんなゴージャスなサービスも提供するMVNO(Movile Virtual Network Operator)が出てくれればの話だが。
MVNOの見えないビジネス
MVNOがたくさん出てくることを免許を受けてインフラを準備しているMNO事業者は心待ちにしている。MVNOは再販事業者とも言えるので、なんらかの独自サービスや付加価値を付加したニッチなサービスが現れ、これまでのナショナルキャリアでは扱えなかった新たなニーズを喚起し、市場を創造してくれるという期待・・もある
それでもやはりMVNOの事業性は未知数である。それら付加価値の対価や販売・保守チャネルの開拓、数々の規制やガイドラインの強化、外資の参入など、数値を含んだ事業シナリオを現時点で描くのは困難である
FMCと混同して失敗した米国圏とチャネルに徹したヨーロッパ圏
MVNOの始めがバージンモバイルという説がある。バージンのブランドが付加価値となっていることになるが、実はバージンの販売チャネルを活用したという点のインパクトが大きいのではないかと判断している。欧州で生き残っているMVNOの多くはスーパーなどで手に入るコモデディ的な端末である。これは明らかに付加価値というより購入機会の増大がユーザーに指示されたと言える。
一方米国はどうも厳しい状況にあるようだ。大手フィックスキャリアは乾坤一擲で2006年頃からFMCサービスを切り出したが、丁度MVNOが話題となった時期とぶつかった。そのせいか、オリジナルコンテンツを持つことがMVNOのKSFと考えられていたフシがあった。スポーツチャネルとか、多くの異業種が参入し、一時は30社以上のサービスがあったと記憶しているが、今日残っているのは僅かではないだろうか
日本ならではのモデルが必要
携帯ガラパゴスと言われるほど進化した(進化したのでミュータントや火星人などというイメージの方が会うのだが)日本でのビジネスは恐らく異なってくるだろう。来週でもいくつかあげられるだろうか