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オープンナレッジとブログマーケティング

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オープンナレッジ

Web2.0をCRMに取り入れたいというテーマがある。ウイキペディア(Wikipedia)などネット上のユーザーがその知恵やナレッジをボランタリーに供出するしくみを普及させたWeb2.0の新しく、かつ有力な流れを、日本企業は十分その長所を取り入れていないというのだ。

確かに、企業内部のナレッジより外部企業や顧客のナレッジの方が量は膨大であるし、国内に留まらずグローバルから集められればさらに充実する。

この社外からの知見を集めるしくみや発想法を仮称して「オープンナレッジ」と読んでいる。

このオープンナレッジを伝統的にクローズな営利団体である企業が生き残りのためにどう、取り入れるのか、そしてCRMはどのように変わっていくべきなのか

ブログ人口

 「オープンナレッジ」の代表例として挙げられるのが、年々利用者が増大しているウエッブログ、いわゆるブログである。この口コミの影響力は大きい。著名なベンチャー企業の社長がブログで本を薦めるコーナーに年14万アクセスあるほどだ。

ブロガー人口はインターネット人口あたりの比率(%) 8%と想定されていたが、近年ではその倍近くになっているようである。

その利用人口であるが、総務省のデータでは昨年で約860万人いると言われており、その勢いであれば2008年中に1000万人を突破する見込みということになる。事実であれば凄い数字である。

これらの情報の全てが正確性を期するものではないが、玉石混合の玉を拾い出す、もしくはクレームであれば放置してはいけないものである。

Blog1_2 

 CRMにおいてもコールセンターのナレッジデータベースを構築するためにもユーザー数が増えてきたブログの記事のナレッジをマイニングして取り込みたいとう要望がある。主にマーケティングに活用することからブログマーケティングと一部では呼ばれている。キラリと光るアイデアや新しい斬新な提案、クリティカルなクレームやその兆しを発見したい、最近の流行を発見したいというニーズに対して大量のテキストデータが公開される環境になった。公開されているこれらの意見やニーズを取り入れていくことは重要である。

ブログマーケティングとテキストマイニング

 ブログのようなテキスト文からいかに有用な情報を掘り出していくかということは長年の課題であった。しかし近年では高度なテキストマイニング・ツールが普及してきており、一部の旧来の技術はネット上にて無料で配布されるなど、ブログマーケティングの実現が容易になってきている。

テキストマイニングとはご承知の通り、「形式化されていない“テキスト”データの集積から、有益な情報を採掘“マイニング”し、意味を出す技術・手法」である。テキストマイニング・ツールはそのためのソフトウエアであるといえる。

広義のデータマイニングとしての「大量のデータに潜んでいる思いもしなかったデータの関係性や意味を発掘(発見)するために、さまざまな角度からデータを検討する」の一部ではあるが、データマイニング・ツールがPOSや売り上げなどの定型データの特定な場所の数値データ・属性データを分析対象としているものに対して、テキスト・マイニングではデータ全体を対象として、さらに意味を出そうとしている点が大きな相違である。

特に顧客の生の声が寄せられるコンタクトセンターや、テキストデータが主体となるブログ上の情報分析などを行う技術・手法として、昨今注目度を更に増している。

私がこのブログマーケティングに関わった動機は「良いブログを書いている方には経済的リワードが帰ってくるしくみが定着できないか」というところであった。プロシューマーが増大する社会で個人がメディアパワーを持っていける社会のいち早い到来は大きなメリットを持つと考えるところである。 

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