なぜ3Dにならないのだろう
情報家電からインテリジエント家電へ
PCやWebの世界では後塵を這いしつつも、家電では一時は国際的なリーダーとなっていた邦人企業。しかし、2000年前後からその神話も崩れ去り、EU、韓国、最近では中国製品までもが市場のシエアの上位にある。デジタル化の中ではアービトラージ(時間差利益)が殆んど抹殺されてきた。(平成19年の調査では)液晶TVの世界シエアは47%ではあるがTV全体だと30%を割っていると聞く。
ただし、最近明るい話題が出てきたと感じる。画像認識や自己学習、検索などの要素技術により、その家電の本質的な機能が強化され、より簡便に機器同士が連携できるようになってきている。こういったインテリジエント家電とでも呼べるようなものが市場に活況をもたらし、使ってみても実に魅力的である。
点でしかアプローチできていなかった家電流通業界
まず情報家電を訴求していた時代、丁度IPV6の時代と私的にはかぶるのだが、ユーザーエキスペアリンスの上昇値は殆んどなかったのではないかと思う。なぜならは冷蔵庫に液晶がついたり、クーラーが話したりするということが生活者にとっての利益が感じられていなかったことは明らかであるからだ。
しかし、根本的な問題はこれだけ生活、社会基盤がネットワーク化とプラットフォーム化が進む中で「製品売り」という顧客への打ち出し方が流通、さらにはメーカーでさえ本質的に変えられなかったことが要因としてあるのではないかと思っている。言い換えればデジタル空間が立体的に、さらには仮想的になっていると実感しているオピニオンリーダー的社会生活者に対して点でしか提案していなかったのではないかと思われる。
線(2D)を謳い続けてきた家電メーカー
それでもメーカー各社は液晶TVの高機能化、省電力化と共にネットワーク化、つまり線の提案をここ10年ばかりしてきたことは事実である。たとえばTV名+リンクといった機能でデジタル機器のさまざまなワイヤレス連携をCMでも打ち出しているし、データの交換などは古くからメディア企画を作成してまで提案してきた。
問題はそれらインターフェースがユニバーサル化なされなかったことでメーカーの囲い込みと容易に結びついてきたことにあるのだろう。A社のブルーレイディスクレコーダーのフル機能を活用するには液晶TV、ハンディカムもA社のもの推奨される。このような点はPCの世界と比較すると明らかに古臭く感じてしまうだろう。
デジタルリビング(3D)の発想を最初からもてたインテル、MS
大型TVに買い換える、次世代レコーダーを買う、AVパソコンを追加する、より小さいiPodを買う・・これは殆んどの人にはより良い生活、仕事環境を手に入れたいというところから来ている・・(ガジェット好きとかコレクターも少なくはないしとても大事な層なのだが)。インテル、MSがデジタルリビングの将来像を描いて、そこからあるべき情報通信機器機能を検討した結果は今日DNLPとしてほぼ世界標準に近い形でのプロトコルになっているようだ。どうやれば企業、産業を超えてこのようなユースケースもしくはサービス主体のアプローチが取れるのだろうか?ある意味極めて戦略的でなかろうか
日本と米国とのリビングの広さの違いだ と言ってしまうと 少し サビシイ