和洋コラボのおまんじゅう、四国素材のお芋菓子。防災用に好適、癒しのビスケット。無移香の食品を探せ!2025 ~日用品公害・香害(n)~
畑田本舗「鳴門金時ポテト」。フリーカップ・小皿:砥部焼 龍泉窯 池田麻人作「光の中で」。企業組合愛媛シルク工房「絹茶」無茶々園、ティータオル;ULSTER WEAVERS・アイルランドリネン。
愛媛東予地方の菓子メーカー。素材を生かした、癒しの味。
前回述べたとおり、小売店で購入する菓子の包装が軒並み移香している。原因は、香り付き柔軟剤や抗菌系合成洗剤などに含まれる成分の付着だ。不特定多数が利用する店舗では、客からの付着は避けようがない。
そこで、メーカーからのお取り寄せを試している。
愛媛の老舗せんべいメーカー「名所堂」は、みごとに無移香だった。
さらに2店舗、注文していた商品が届いたので、紹介する。はたして、気になる移香状況は?
まず、畑田本舗。愛媛県東予地方で和菓子と洋菓子を製造する企業だ。県内では「御栗タルト」のメーカーとして知られているが、全国的には「どら一」のハタダ、として知られているかもしれない。先般、映画「グランメゾン・パリ」のキャンペーンの「ご当地 三ツ星オシグルメ選手権」で「どら一 塩バター」が、優秀賞に選ばれている。
幸運なことに、地元・愛媛では、「どら一」は、容易に入手できる。ただし、スーパーで買うと、包装の袋には、抗菌系合成洗剤のニオイが付いている。3個1パックのどら一にいたっては、外袋を貫通して個包装の表面に抗菌臭が付着していることがある。包装の素材が厚く、商品自体は問題ないが、気持ちの良いものではない。
メーカー直販なら、そのようなニオイは付着していない可能性がある、だからといって、どら一は試さない。もう何度も買っているのであって、今回は、ほかの商品を注文してみた。
「瀬戸の月」「姫の月」「鳴門金時ポテト」「ほんきのレモンケーキ」。
同じ県内であるため、配送中の同便の貨物からの移香は。抑えられる。段ボールの表面への移香は少なく、包装紙の表面に、わずかに貫通して付着している程度だった。パッケージは無移香。当然、中の菓子も無移香。すばらしい!
同梱の紙製品はどうか。伝票はほぼ無移香、しかし、「どら一」のリーフレットは多少柔軟剤の香料臭。弱いニオイであって、これは、ユーザーからの一次移香ではなく、2次移香か3次移香だとおもわれる。2次以上の「n次移香」は、いかに気を付けていても、避けることは難しい。
今回購入した「瀬戸の月」は、月のようにふんわりまるい生地お中に、カスタードクリームが入った、ふわふわのお菓子。「姫の月」は、こしあんとカスタードクリームが入った饅頭だ。和菓子と洋菓子、両方を手掛けるハタダならではの、和洋コラボ。
「鳴門金時ポテト」は、徳島県の鳴門金時を使った、さつまいもの風味がしっかりと味わえる焼き菓子。
「ほんきのレモンケーキ」は、瀬戸内海産レモンを贅沢に使った、厚めのアイシングでカステラを包み込んだケーキだ。
紅茶、緑茶、どちらでも合う。
これら以外にも、いろいろなお菓子があるので、ぜひチェックしてみてください。
ハタダのお菓子は、生地、あん、クリーム、アイシング、すべてがしっかりと作り込まれていて、存在感がある。1個でじゅうぶん満足できる。企業で残業に突入した時間に、こんなお菓子が配られてきたら、歓声があがるにちがいない。
支払方法は、代金引換(手数料440円)、クレジットカード支払い、コンビニ払い、郵便振替だ。
おおよその賞味期限、参考までに。1月23日に注文している。
瀬戸の月(賞味期限:3月4日)
媛の月(賞味期限:3月6日)
鳴門金時ポテト(賞味期限:3月4日)
ほんきのレモンケーキ(賞味期限:3月4日)
誰もが知る有名焼き菓子のメーカー。ローリングストックにも最適。
もう1件、注文したのは、誰もが知るメーカーだ。Mr.イトウでおなじみ、イトウ製菓株式会社。
タルトレットをタルトと主張している点には疑問符が付くが(タルトとは、「の」である)、真摯な企業だとおもっている。
口腔と嚥下に問題のある高齢親が、バターサブレなら食べられることもあり、以前から、しばしば買っていた。スーパーより問屋のほうが移香の確率が低いため、「信州上田のお菓子屋さん」から、1年に1度、サブレを箱買いしていた。
しかしながら、香害が猛威をふるうようになり、信州―四国の遠距離では、配送中移香が裂けられなくなってきた。中の菓子は大丈夫でも、箱のまま保存することが難しい。
そこで、メーカー直販を試すことに。
きれいにネスティングされて箱詰めされたうえに、丁寧なエアキャップの梱包。
そして、驚くべきことに、同梱の紙の封筒と伝票が、無移香だった。「紙の封筒が無移香」、つまり、梱包場所に、人工香料や抗菌系の物質が舞っていないということだ。梱包の担当者、事務処理の担当者の、仕事に対する意識が高いのだろう。ありがとうございます。
サブレ以外にも、高齢者が食べられそうな菓子を、いくつか注文してみた。
賞味期限が1年近い商品もあり、防災用のローリングストックに好適だ。
それにしても、菓子以外でも、移香には閉口している。
冒頭の写真、お茶の色が薄いのは、茶葉をたくさんいれると、上澄みをとるのが難しかったからだ。上澄み?何の話?とおもうだろう。実は、茶こしが、ない。キッチンに置いてあったものは、排水溝からの侵入香害でニオイが付着。先日新しく購入したら、袋に柔軟剤臭が付着しており、それが中まで貫通していた。煮沸すれば除去できそうだが、ワンオペ介護の上に香害という状況であって、その作業をする気力がわいてこない。
「香害」とは、柔軟剤の人工香料だけの問題ではない。われわれの身のまわりにあふれすぎた、合成化学物質の問題でもある。
行き過ぎた、除菌、抗菌、消臭。
今では論文も資料も記事も増えている。自身や家族やペットの健康、そして、他者の生活への影響や、環境への影響について、それぞれが、調べ、低リスクの代替製品への移行を、考えていく必要があるのではないだろうか。
今月は日常の作業に忙殺され、ブログを2本しか公開できなかった。数本執筆中だが、論文へのリンクが多数あり手間取っている。今年は、技術や介護に関する記事も書いていきたいですね。