オルタナティブ・ブログ > イメージ AndAlso ロジック >

ヴィジュアル、サウンド、テキスト、コードの間を彷徨いながら、感じたこと考えたことを綴ります。

2024年、カナリアの軌跡。『名古屋 Huck Finn』(2024年8月11日) ~6弦のカナリア・エピソード(10)~

»

20240831nagoya_re2bell.png

『SABBAT 40TH ANNIVERSARY』

2024年8月11日(日) 名古屋 Huck Finn
開場:15時30分、開演:16時
出演者:『SABBAT』『CATAPLEXY』『TERROR SQUAD』『SILVERBACK』『PUNHALADA』『UNHOLY GRAVE』『SOCIAL CHAOS (from BRAZIL)』

【セットリスト】
Straight to Hell
No Wrong Way
(MC)
Bastards
闇より深く...
Wild Disorder
(MC)
Blood Fire Metal
Chaosdragon Rising


今回のライブ、大関にとっては、懐かしい再会の場となった。

午後3時前、名古屋に到着。物販エリアでは飲み会が始まった。
心のほぐれる顔ぶれが集う。大関は、旧知の共演者たちと親交を深めることができた。屋外では、ノーマスクで、『SABBAT』の「GEZOL」氏、『SILVERBACK』の「キヨさん」や、駆け付けてくれた、岡崎幸人(オカザキ ユキト)氏と、写真を撮った。岡崎氏は、大関が「師匠」と呼ぶ『ETERNAL ELYSIUM』のギタリストだ。

その昔、岡崎氏と出会った頃の、『TERROR SQUAD』の音楽について、大関は語る。
「結成当時はリアルスラッシュメタルで、きっちりしてるけど激烈でプログレッシブなバンドのつもりだった。1stのレコーディングで、ジョーカーのドラムとオレのベースを録り終えて、家で落ち着いて聴いたら、二人とも未熟で酷く暴走していた。これに合わせて家でギターを弾いて、MTRで何回か録音してみたけど、しっくりこない。そこで、『もう演奏も音作りも乱暴に行こう』って思ったんだ。コレが今のテラーに繋がっていると思う。
若い頃に脳内で描いていた『キッチリしてるのに暴力的』とはかけ離れたけれど、結果的に『TERROR SQUADの狂気』が1st.アルバムに収められた。各自の未熟なテクニックは、全て衝動と狂気に置き換えられたんだ。」

その『TERROR SQUAD』の1st.アルバム。
ミックス作業は、岡崎氏が経営する『スタジオZEN』で行われたのだ。

『TERROR SQUAD』は、1999年当時のメタル界の潮流には乗らず、独自路線を模索していた。まだ若い彼らには、完成イメージはあっても、それを表現する技術が不足していた。それでも、創りたい音楽、いずれ彼らの通過するであろう地点が、岡崎氏には見えていた。
その後発表した2nd.アルバムには、1曲インストゥルメンタルが収録されている。CD構成も、楽曲構成も、ドラマティック。そうした大関の感覚が、岡崎氏には、説明せずとも、音源だけで、伝わっていた。
密度の濃い数日間を共有したうえに、音楽への深い理解。強いきずなが生まれたのだった。

「師匠にはたまにしか会えないけど、音楽だけでなく、人として常に尊敬している。」

そんな共演者や仲間に恵まれた、今回のライブ。
安定して高速で刻み続ける、ドラム・ジョーカーとベース・前川。ヴォーカル・宇田川もパワー全開で、マイクを振り回しながらの、熱唱。緩急自在のMCを挟んで、ラストまで一気に駆け抜けた。
午後6時過ぎ。大関はノーマスクで、ピックを振りぬいた。その模様は、来場者による動画に収められている。

演奏を終え、外へ出た。漂う香水の香りを避けながら、しばし岡崎氏と歓談した。岡崎氏は、農業も営んでいる。だからか、農業の話になった。
「蒸し暑い路上で岡崎師匠といろんな話をしてて、やはり『アルジュナ』を感じた。他にも深すぎる話をした。凄かった。」

地球少女アルジュナ』--ー大関イチオシのアニメである。2001年制作。古い作品だが、現在の環境問題を先取りして扱っている。そして、主人公を演じた声優で女優の東山麻美氏もまた、香害について、SNSで発信を続けている。

生存に必須ではなく、むしろ、生存を脅かす、合成化学物質を含む製品。環境中に拡散するパーティクルを、追跡する技術も捕集する技術も確立しないまま、製造販売に踏み切った企業。
エビデンスが後追いであるために、私企業の開発方針に、制約を課すことのできない、行政。
製品の仕様を確認することなく、好きなアーティストが宣伝しているからという理由だけで、気軽に購入する一般消費者。
香害原因製品が拡販され始めて、わずか10数年で、この国の大気と水は、回復不可能な地点に到達しつつある。

工場で製造される化学物質を使わない生活は不可能だ。しかし、使用量を減らすことはできる。ハイリスクなものより、ローリスクなものを選ぶことはできる。

ライブハウスの無香害化は入り口にすぎない。
ギターファン、ロックファンの皆さん。いま一度、生活環境の無香害化、化学物質を「できるだけ」減らす暮らしを、考えてみませんか。

20240811.jpg


音源情報(bandcamp)

1st,アルバム「the wild stream of eternal sin

2bd.アルバム「Chaosdragon Rising

『Chaosdragon Rising』 PV (Youtube)

『TERROR SQUAD』KOUICHI UDAGAWAとHIROYUKI MAEKAWA、そして、ギター・無香料職人のノケンことKENJI NONAKA、ドラム・NOZOMI HAYASHIの4人で結成する、メロディック・デスメタル・バンド『Another Dimension』が、6月12日に、2nd.アルバム「WORSHIP DEATH 」を発表。Youtube公式チャンネル


9月以降のライブ・スケジュール

最新情報やチケット予約については、『TERROR SQUAD officialTERROR SQUAD』サポート を参照してください。

  • 2024年9月15日(日)  大阪 江坂 Muse
  • 2024年9月22日(日) 福山 Live Gym Mayhem
  • 9月28日(土)  新大久保 Earthdom
  • 10月13日(日)  新宿 Loft or ACB(KAPPUNK)
  • 10月19日(土)  鶯谷 What's Up
  • 10月27日(日)  松戸 Dugout2 Studio

岡崎氏のバンド『ETERNAL ELYSIUM』は、活動を再開。『TERROR SQUAD』は、来年の共演を予定している。

ご来場の方へ

本稿のとおり、特定の日用品に含まれる化学物質は、大関氏のパフォーマンスに影響します。さらには、いま健康への影響が生じていないひとたちにも、影響を及ぼす可能性があります。
ご来場の際には、香リ付け・除菌・抗菌・消臭目的の日用品の使用に、注意を払っていただきますようお願いいたします。

たとえば、次のような行動をとることで、ベスト・パフォーマンスのステージを楽しむことができます。

可能であれば、高残香性柔軟剤および抗菌系合成洗剤で洗濯していない衣類を着用してください。
それが難しければ、当日着用する衣類を、水だけで、3回以上、すすぎ洗いしてください。
ライブ当日は、除菌消臭スプレーの使用を控えてください。
香水をお使いの方は、会場入り直前の一吹きは控えてください。
香り付き整髪料をお使いの方は、ライブ当日は、できるだけ無香料の製品を使用していただけると助かります。


※本稿は、関係者の公開ツイートや投稿をもとに、情報を再構成したものです。

「6弦のカナリア」目次

Comment(0)