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医療・看護・介護の現場における「香害」問題 ~日用品公害・香害(2)~

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近年、一般消費財による大気汚染が急速に進んでいます。
この現象は、公害にかけて「香害」と呼ばれています。

原因とされる主な製品は、高残香性柔軟剤・柔軟剤入り合成洗剤・抗菌系合成洗剤です。

これらの製品には、3つの大きな問題点があります。
マイクロカプセル化技術、ナノテクノロジー、排出基準です。

使用者の衣類に残留した香料マイクロカプセルは、環境中に拡散します。
砕ければナノサイズとなり、「制御」「トレース」「回収」は不可能です。
にもかかわらず、一般家庭で使われる化学物質に排出基準はありません。

そのため、製品の使用者だけでなく、非使用者にも、影響が及びます。たとえば次のような生体リスクが生じます。

もし院内や施設内が、マイクロカプセルで汚染されていれば、香害によって体調が悪化する患者は、利用が難しくなります。他の疾患での受診控えは、早期治療の妨げになります。救急医療を躊躇するケースもありえます。
介護サービスを利用できない、あるいは家族の利用に支障が出ることもあります。

すべてのひとが医療・福祉サービスを利用できるよう、医療・看護・介護の現場では、香害の影響を、可能な限り排除する必要があります。健康のために利用する施設内が、健康に悪影響をおよぼす環境であってはならないでしょう。

また、次のような環境リスクにも注意が必要です。

  • マイクロカプセル拡散による院内・施設内の空気汚染
  • マイクロカプセル付着による什器備品の汚染・破損

香りによる癒し効果が必要な場合は、マイクロカプセル不使用の天然香料を、限られたエリアで用いることにより、リスクを低減することができます。

香害の原因となる製品を避けるべき人(香害の影響が大きい順)

医療・看護・介護の従事者とその関係者

在宅医療訪問医・訪問看護師・介護福祉士・理学療法士・歯科衛生士・救急救命士・看護師・医師・レントゲン技師・臨床心理士・ケアマネージャー・調理師・精神保健福祉士・薬剤師・医療事務・検査技師・歯科技工士・管理栄養士ほか

病院・施設の外注業者・関係者

院内清掃・ユニフォームやリネン類のクリーニング・配管/空調/エレベータ等設備保守管理・ピアサポーター・装具/介護用品販売・食材卸・給食調理・院外薬局・病院指定公共交通機関・介護タクシー・院内コンビニ・院内飲食店・院内ボランティア・医薬品卸・検査機器販売・家電販売修理・ITエンジニア(医療用デバイス、電子カルテシステム保守管理)など

上記の職業に就く者の関係者

私服の洗濯を担当する家族(私服から髪や人体やバッグを介して、院内に移香の可能性)、医師や看護師の自宅への訪問者

通院・入院患者、施設利用者とその家族

患者や利用者自身も、「香害」原因となる製品を避ける必要があります。
使用者の衣類から拡散する物質は、救急車内の機器やストレッチャー・処置用ベッド・車いす・待合のソファ等に2次移香します。そして、移香した設備を利用する、スタッフ・患者・利用者の健康リスクを押し上げます。
院内・施設内・搬送や送迎の車内には、拡散した物質が蓄積します。これもまた、スタッフや患者や利用者のリスクとなります。

間接的なリスク

前述のような生体リスク・環境リスクを避けるため、在宅介護の現場では、作業負荷が増しています。それは二次的に、介護者の健康を脅かしています。

訪問介護サービスを利用する世帯が、当該製品を使用すると、診療・看護・介護スタッフの衣類やバッグにマイクロカプセルが付着し、次の訪問先に持ち込まれます。 また、ショートステイやデイサービスでは、非使用者世帯の利用者が、マイクロカプセルの付着した衣類や持参品を、自宅に持ち帰るようになります。

自力で移動できない要介護者は、居室内の空気を吸い続けることになります。
空気清浄機や脱臭機も有効ですが、清浄化するまでの数時間以上、曝露され続けます。非使用者世帯が、持ち込まれる化学物質のリスクを低減するには、介護者が、徹底した掃除によって除去するしかありません。また、衣類に付着している場合は、洗濯を繰り返すしかありません。しかし、完全な除去は不可能です。

サービスを受ける側は、サービスを提供する側に対して、香害対策をもとめにくいものです。相談がない場合でも、問題が発生している可能性はあります。

香害のリスクを、スタッフや患者や利用者に伝えるには

全国の多くの自治体が、「香害」啓もう用のウェブページを公開しています。
お住まいの自治体のウェブサイトで「香害」「化学物質過敏症」などのワードで検索してください。まだ公開されていない場合は、近隣の自治体のウェブページを検索してみてください。

また、5省庁(消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省)・香害啓発ポスター を利用できます。

製品の安全性と、商品の流通量や広告宣伝の本数に、相関関係はありません。安全性については、メーカーのウェブサイトで、各製品の詳細な仕様を確認のうえ、ご判断ください。

香害による症状や生活上の困難などの具体的な情報は、twitter内を「#香害は公害」で検索すれば、多くの情報を得られます。

twitter上では、化学物質過敏症の当事者たちが、メーカーへの聞き取り調査を敢行して作成した資料が公開されています。各種製品の成分一覧表、安全な製品の一覧表などが揃っており、ダウンロードして利用できます。

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