InterSystems米国医療情報交換プラットフォームのリーダーと認められる
IDCのIDC MarketScape on U.S. Health Information Exchange Platform Solutionsという評価、分析結果が公表されました。
これは残念ながら有料の資料なので公開できませんが、InterSystemsはマーケットリーダーの称号を得ることができました。4つある評価のランク付けの内、最も評価が高いのがこのリーダーポジションです。
米国の医療ITマーケットでは、医療情報交換プラットフォームという領域がすごくホットなようです。
IBM、ORACLE、MicrosoftなどのITビックプレーヤーや医療IT業界の巨人たちもこぞってこのマーケットに参入しています。
背景としてはリーマンショック後の景気浮揚策として2009年のAmerican Recovery and Reinvestment Actの1つとして実施が決まったHITECH ACTに対応することで得られるインセンティブを求めて医療プロバイダーがIT投資を強化しているというのがあります。
そしてこのインセンティブを得るためのキーワードがmeaningful use of electronic health records(EHR)です。
日本語に無理矢理訳すと電子診療録の意味のある利用という感じでしょうか
その結果として米国では50州全てで私的医療機関、公的医療機関を問わず様々な医療情報連携プロジェクトが起こっているようです。
特に私的医療機関は、meaningful useの条件を満たしてインセンティブを得ることで収益が改善できるかもということでかなり必死になっているようです。
さすが米国はあめとムチの使い方がうまいというか、日本でこういう医療連携という話になった場合、基本は補助金で申請が通れば結果がどうあれ補助金が支給され、なんとなく箱物にお金が流れて補助金を使い果たしたらあとが続かなくていつのまにか話がたちぎれになるというパターンでしょう。
米国も以前RHIOという組織を作って地域医療連携をやろうという話がありましたが、基本は補助金ベースでの運用だったので、補助金が枯渇するとそれ以上前に進めないという状況がほとんどだったようです。
今回のやり方は過去のそういう失敗を見て修正されたものと思います。
日本で同様のインセンティブを導入しようとすれば、診療報酬の点数で差をつけるというのが考えられますが(実際厚労省はそのようなことを考えているふしがあります。)法改正が必要でその改訂は通常年単位なのでどうもスピード感に欠けるという感じです。 しかもいまは逆に診療報酬を下げる方向にしか目が向いていないような感じですし
それはさておきこのインセンティブは2015年まで続くことが決まっており、かなり長期的な対応が可能です。
逆にいうと2015年までに雌雄が決し、うまく対応できた医療機関とそうでない機関で大きな差がつく。
そして勝ち残った医療機関にプラットフォームを提供したベンダーが別の意味で勝者となる。
勝者になるべくInterSystemsは50州全部のプロジェクトを取るくらいの勢いでこのマーケットを攻めています。
もちろん蒼々たるメンバーが相手だけにそう簡単に勝ち残れるわけではないでしょう。
ちなみにこのマーケットの競合企業の中にはInterSystemsの古くからのパートナーであるEpic社やGE Healthcareなどが含まれますが、ここが日本人の感覚からはなかなか理解しにくいですが、どうも正面から戦っていくような感じです。
日本人の場合にはどうしてもしがらみにしばられて思いっきりできないところですが、ありきたりな言葉ですが、これが農耕民族と狩猟民族の違いでしょうか。