スルガ銀行とIBMの紛争について
気がついたら非公開となってしまいました。
当事者がいろいろ言うのはまずいという判断になったということでしょうか?
私の読んだ印象はかなり抑制的に書かれており、特段問題となる箇所は見つからなかっただけに非公開になったのが逆に何故という感じです。
この紛争に関してはIT業界ではかなり話題となっている感があり、一般的なマスコミの反応はスルガ銀行の全面勝訴というような論調ですが、実際の所は、両者とも失ったものが大きいということだと思います。
今回の事例は日本のIT業界が抱える根本的な問題が顕著に現れた例だと思います。
簡単に言うと、リスクがSI会社側に偏っていて、発注側のユーザー企業が一般的にリスクを取っていないということです。
その結果、SI会社の提案は、差しさわりのない平凡なものになり、あらゆるフェーズにリスクを組み込んだ価格提案になっている。(すべてのフェーズでリスクが顕在化する確率は低いにもかかわらず)
そういう状態の中でもSI企業が利益を上げようとすると必要以上のことは絶対しない、言われたことだけやるという状態になるのが当然の流れです。
欧米のIT事情を正確に知っているわけではありませんが、見聞きする限りにおいてはITプロジェクトの責任は最終的にはそのプロジェクトの主管であるユーザー企業(あるいはユーザー部門)にあるというのが一般的であると思われます。
そんなことお前に言われるまでもなくわかっているという方や逆にユーザー企業もリスクを取っていると思われている方もおられることでしょう。
ここでは非常に複雑な問題をごく簡単な切り口で捕らえているだけなので、いろいろな異論があるのは折込済みです。
何十年と続いてきた慣習をすぐに変えるということは起こらないとは思いますが、そろそろ限界じゃないかと思う人はたくさんおられるのではないかと思います。