遺伝子医療
サノフィーアベンティスが遺伝性疾患治療薬の大手、米国genzymeを買収すると発表しました。
この取引は金額が折り合っておらずまだどうなるかはわかりませんが、今後も巨大医薬品メーカーの遺伝子関連企業の買収が増えそうな雰囲気です。
genzymeはインターシステムズのお膝元のケンブリッジに本社があり、本社に出張した際にその看板(非常に目立つ看板なので)を見たことがあり、印象に残っています。
以下の話にgenzymeがからんでいるかどうかはわかりませんが、その近辺でインターシステムズの技術が遺伝子医療に関わるプロジェクトに利用されたという事例が最近発表されました。
パートナーズヘルスケア、InterSystems Ensemble®で、革新的なパーソナライズ医療を実現
このプロジェクトはボストンからソルトレークシティーに遺伝子情報を電子転送したという話なのですが、そう聞いただけではそれのどこがすごいのか、とほとんどの人は感じるのではないかと思います。
遺伝子情報はいかなる形で収集しようが、ものすごく膨大な情報になりますので、それをそのまま加工せずに送付しても、送付された方がその意味を理解するのはほとんど不可能です。
このプロジェクトではユタ州出身のある男性が、遺伝性心臓病である肥大性心筋症の遺伝子マーカーの検査を行い、その検査結果が、パートナーズヘルスケアが開発した新しい臨床遺伝子ネットワークシステムを通じて、ユタ州ソルトレイクシティのインターマウンテンヘルスケアの電子カルテにその患者さんの情報として付加されました。
そして医師は、遺伝子マーカー検査結果に基づいて、適切な治療をその患者さんに薦めることが可能になったということです。
遺伝子疾患に関わる検査等は、非常に複雑な処理およびプロセスを経るのが一般的であり、ローカルで運用する場合でも、複数の専門家がチームを組んで注意深く対応しなければなりません。 そこでは、人手では到底処理しきれない膨大な情報処理が必要となりますので、複数の複雑なプログラムの実行が含まれます。
そして、夫々のプログラムの処理結果を様々な形に専門家が臨機応変に対応していたわけですが、その一連のプロセスをネットワーク化するためには、そのマニュアル処理されていた部分をコンピュータによる自動処理化する必要があったわけです。
それらのつなぎにインターシステムズのEnsembleが一役買ったということになります。