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デル、オブジェクト指向アーキテクチャ採用のグリッド・ストレージを発表

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http://computerworld.jp/topics/storage/177749.html

オブジェクト指向アーキテクチャのストレージということで、興味を持ちました。

が、発表記事を見る限り、何がオブジェクト指向なのか、よくわかりません。

オブジェクトというからには、何かを抽象化していることが想定されますが、これによって恩恵を受けるのは誰でしょうか?

ストレージということですので、最終的にアクセスするユーザーは、何らかのOSがサポートするファイルシステム経由でこのストレージを見るわけなので、そのレベルでは、普通にファイルとしてアクセスできなければ、使い物になりませんので、オブジェクト指向であることのメリットはなさそうです。

もやもやしている状態で、日本で見つかる記事はどれも似たような内容で、なかなか理解が進みませんでしたが、海外での関連記事を読んでみると、いくつかのなぞを紐解くキーワードが見つかりました。

それは、LUNsやRAID Groupという表現です。

つまり、一般的にSANのソリューションに向けたソフトウェアを開発するには、LUNsやRAID Groupといったハードウェアレベルの概念を十分理解しなければならなかったということです。

そのこと自体の理解はさほど難しくないかもしれませんが、その知識を駆使してソフトウェアを開発するのは、手間がかかるということだと想像します。

その辺の煩雑さを軽減するために、オブジェクト指向の考え方を取り入れて、SANの構成要素を抽象化したということかなと思います。

実際、その海外の記事によると、DellはISVsに働きかけて、このプラットフォーム向けのソフトウェアを開発してもらうよう活動しているそうです。

SANのソフトウェアもSANのハードベンダーだけが開発するのではなく、ISV的な開発が増えてくるのかもしれません。

しかし、海外ねたの日本の記事にはどうしてこういう本質的に重要な部分が記述されないケースが多いのか、ちょっと首をひねりたくなる心境です。

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