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オブジェクトデータベース2

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@ITへの記事寄稿

少し前にお知らせしていたオブジェクトデータベースに関する記事を@ITに載せることができました。

今回は、オブジェクトデータベースとはというテーマでしたが、考えてみるとデータベースをカテゴリー化するというのは、結構難しいというか、すごくあいまい性があるなあというのが、現在の心境です。

前回もお話したように、インターシステムズのテクノロジーを単純にオブジェクトデータベースとカテゴリー化するのは、少し抵抗があります。

まず、オブジェクト指向を追及している点は間違いないところですが、オブジェクトデータベースと言い切るのは、ちょっと違うかなという感じです。

@ITでも、DB関連サイトのところで、データベースのカテゴリー分けを行っていまして、インターシステムズのCaché(キャシエ)は、オブジェクトデータベースのカテゴリーになっています。

もちろん、これは文句を言っているわけではなくて、オブジェクトデータベースでなければ、どこにカテゴリー化すればよいのかといわれれば、確かにぴったりくるものはないのは事実です。

それで、話は少しそれますが、@ITさんのカテゴリー分けも突っ込みどころが結構あるなあというはなしです。

というのは、カテゴリーを作るときには、その基準となるもの(英語でいうところのクライテリア)が必要ですが、その基準がちょっと場当たり的かなと感じます。

まず、RDBMSがあるのは良いとして、次にオープンソースRDBMSがあってオブジェクトデータベースがあって、XMLデータベースがあって、メモリーデータベースがあって、(もう少しすると、キーバリューストア型あるいはクラウド型というのが新たに加わってくるかもしれません。)

確かに現時点での世間のムードを表現しているカテゴリー分けなのは理解できます。

それでもなお私の違和感は、このカテゴリーわけが、製造形態の違いやデータベースの編成の違いやはたまた記憶媒体の違いなど全く玉石混合な点です。

例えば、メモリーデータベースという場合には、データ編成に関しては、完全なRDB的な実装もあれば、オブジェクト指向型のもの、XML型(実際あるなしは別にして)、独自構造のものがありうるわけです。

オープンソースのオブジェクトDB、XML DBもありうるわけです。

要するに、カテゴリー分けがどうもきっちりと整理されていない感じがします。

それじゃあどうしたら良いのかと言われれば、私にもまだ良い案がないのが実情です。

結局の所、我々のデータベース技術のこのカテゴリー分けの中での確固たる所在のなさがこのもやもやにつながっているような気がします。

そんなことどうでもいいじゃないかと言われれば、確かにそうなのですが。

ところで最近だれもORDBMS(オブジェクトとリレーショナルのハイブリッド型)のことを話題にしなくなりましたが、これは結局どうなったのでしょうか?

商用のRDBMSのほとんどは、ORDBMSと言えないこともないですが、全くその点は宣伝すらしていないように見受けられます。

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