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米国の電子カルテ等に関する講演会(続き)

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日本の医療制度も複雑ですが、米国の医療制度も非常に複雑で、歴史的なひずみや既得権益等があり、なかなか一筋縄では、行きそうもありません。

少なくとも国民全員が健康保険に加入しているという点では、日本のほうがずっとましなようにも見えます。

一方、医療費を削減しなければいけないという認識を持っているという点では、どちらも同じで、そのために医療連携をしようという点でも大きな違いがないように思います。

さらに連携のスキームというか行なおうとしていることは、この講演で聞く限り、そんなに大差がないようにも思いました。

ただ、決定的に違うのは、日米の規模感の差ですかね。

米国は既に患者数100万人オーダーの規模で医療連携が既に行なわれていて、今後は一千万級の連携に発展しようという感じですが、日本での規模は未だ万レベルといったところでしょうか。

あとは、ステークホルダー間の調整は、米国の方がずっと大変なように思いますが、さすが合理主義の国というべきか、結局は、理が勝利している部分が大きいように思います。

例えば、連携するためには、医療システムが標準に従って通信する必要があるわけですが、これがばらばらだったのを、10程度の標準に集約することをトップダウンで決めたり、必要な施策の実施を推進するためにインセンティブを与えたりなど、本当にシステマチックに物事を進めている感があります。

一方、日本では、危機意識を持った医療情報関連の先生方がいわば、ボランティア的に手弁当でいろいろなことにトライしているという感じで、国が強烈なリーダーシップを発揮している感じがしません。

となりの芝生は青く見えるといいますが、それを差し引いても、なんとかしてほしいという思いが募ってしまう講演内容でした。

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