NHSがInterSystems Ensembleをシステム統合エンジンとして大々的に採用
InterSystemsにとって、ビックニュースが飛び込んできました。
マイケルムーアのシッコという映画を見た人は、ご存知かと思いますが、アメリカに比べてずっと良い医療サービスを提供している国として、英国が紹介されています。
英国では、医療サービスは、原則無料で、全て税金でまかなっているわけですが、そのサービスを提供する組織をNHS(National Healthcare Service)といいます。 そして、その中で、IT関連を取り仕切っているのが、NPfIT(NHS National Programme for IT )です。 さらに実際のIT業務の運営は、地域ごとにいくつかの地場のSIベンダーに任されています。
地場といっても、富士通が請け負っていたり、なぜかBT(British Telecom)が担当している地域もあります。
そして、事情はよく知りませんが、アクセンチュアも一部の地域を担当していたのですが、何故か撤退してしまい、代わりにCSCという欧米の大手SIベンダーが、元々担当していた地域+アクセンチュアの担当分を引き受けることになり、勢力を拡大しました。
今回は、CSCが担当している地域内での様々な統合ニーズに答えるための統合エンジンをNPfITがCSCに作る様に依頼し、そのプラットフォームとしてEnsembleが選ばれたということです。
そのほかにも、既に様々な統合ツール(SeeBeyondやBizTalk)が使われている部分にもEnsembleで置き換えるプロジェクトも計画されているなど、国家レベルのプロジェクトへの大規模採用ということでうれしい限りです。
実は、この話には、前置きがあって、5年以上も前にブレア首相の号令の元、NHSのITサービスを合理化するという一大プロジェクトが立ち上がり、以前のITの仕組みを捨てて、全く新しいITシステムを作って、それで置き換えようという話がありました。
当時、我々の医療関連パートナが英国にもたくさんいて、この話がそのまま進むと死活問題になりかねなかったわけですが、結局その話はうまくいかず、リップオフではなく、ゆるやかな統合で問題に対応しようという現実路線へのゆり戻しがあったということになります。