システムの堅牢性
前回の自動改札障害は、いわゆるソフトウェアバグが引き起こした障害であるという記事を新聞記事で読みました。
同業者としていつも少しむかつくのは、いわゆるマスコミがこういう事故が起こった場合に、鬼の首でも取ったかの様に、正義をかさに畳み掛ける風潮です。
正論として、もっとちゃんとテストしろというのは、事実そうであっても、そんなに簡単に100%バグフリーなソフトウェアを限られた時間、コストでリリースするのは、言うほど簡単じゃないという現実を考えてコメントしてほしいなあといつも思います。
ところで、欧米でもこんなシステム事故が発生した場合、マスコミが騒ぎ立て、犯人探しに躍起になる図式というのは、存在するのでしょうか?
仕事がら欧米の開発者と一緒に仕事をした経験からは、品質へのこだわりは、やはり日本のエンジニアが突出している様に感じます。
事実、日本の銀行の勘定系のシステムなどは、海外の同じ様な仕組みに比べて、考えられないくらい障害対策を考えて実装されているという話をどこかで聞いたことがあります。
それは、それで賞賛されるべきことかもしれませんが、かといって欧米のシステムの品質が悪くて、しょっちゅうシステム事故が発生しているということもないと思います。
さらに金融系のシステムで考えれば、相当高度で複雑なシステムもガンガン運用されていると思われるので、システムがそんなに脆弱だったら立ち行かなくなるのは目に見えています。
システムが破綻しているという話は、聞かないので、なんとか上手くやっているのでしょう。
だけど、日本の様にとことん品質を追求するというよりは、コンピュータシステムでやれること、やれないことをある程度割り切って、あとはほかの手段で解決しているのではと勝手に想像しています。
この日本人の品質へのこだわりというのは、大切にしなければいけない資質と思いますが、極端に振れるとあまりよろしくないようで、なかなかさじ加減の難しい部分だと感じます。