情報セキュリティマネジメント合格証はきたけれど・・・合格率88%って?
私は、IT系の講師になるずっと前・・・大学時代から情報処理技術者試験には参加してきました。最初は、第二種、第一種、特種という区分しかなく、今当時の問題をみたらさぞかし、歴史を感じるだろうと思えます。管轄も当時は通商産業省でした。
さて管轄が経済産業省となったこの試験も、少しずつ形を変え、今のような区分が増えて試験制度になったのが平成21年です。ここ近年そろそろ試験制度も変わると言われていましたが、変わることになったのは情報セキュリティ関係の資格のみでした。
この春の試験で情報セキュリティマネジメントという資格試験が誕生しました。これは特に
一般企業において必要とされる「情報セキュリティマネジメント人材」を対象
としています。
IT系の試験対策講師もしている私としては、これはまず受けて様子をみなくてはと思い受験しました。
試験範囲やレベルを示すシラバスによれば、IT技術者の基本情報技術者試験と同レベルであるレベル2の試験です。午前においては、そこそこのレベルの出題になると思ってました。が、意外に優しい出題でした。午後問題については、ページ数も多く、未経験者や学生がチャレンジするには少々骨のある問題だったのではと思います。
しかしながら、この合格率IPA発表の統計資料によればなんと88%です。これはITパスポートのH21年の72.9%を上回ります。基本情報技術者は今春30%ですから、その高さは驚きの%です。
たしかに、受験会場にいた人々を見回すと若い人や学生はほとんど見られず、30代後半から50代くらいの方々が多かったような。。。
情報セキュリティスペシャリストの会場に学生や若い人が多かった様子とはまったく違う風景でした。つまり、受けた人は意外にも一般企業において必要とされる「情報セキュリティマネジメント人材」ではなく、業界のセキュリティをそこそこ知っている人々だったのではないかと推測されます。
今日私のところにも合格証が送ってきました。
88%という合格率の数字と、初回合格でありながらもすでに合格番号が10000番台を超えているというところに、なんともありがたみが感じられなくなってしまいました。
これからまた変更を予定されている情報セキュリティスペシャリストも、秋期は最後の試験になり、来年度から情報処理安全確保支援士に代わると言われています。
情報セキュリティ関係は2020年のオリンピックに向けて、制度改革が行われています。しかし、他の技術レベルもこのままでいいわけではありまません。今後技術レベルのアップと情報処理技術者試験離れを何とか食い止めていく打開策が求められるのではないかと思います。
統計資料 得点分布(2016年9月まで掲載)
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/seiseki_bunpu/sg28h_bunpu.pdf
統計資料 H28年度(情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者技術者)
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/toukei_h28h_sg_fe.pdf