【学んだ】土橋正さんのブログ運営術に衝撃を受ける。
土橋正さんをご存知でしょうか。
文具コンサルタント、ステーショナリーディレクターとして文具メーカーの開発や販促に携わるにとどまらず、書籍などを通して働き方、生き方の提案までされている、文具業界の重鎮。というとご本人はきっと恐縮されるのですが、われわれ世代より少し上の兄貴分で、いつもまぶしく見ているトップランナー、という感じの方です。
土橋さんは、その活動の中で、2003年からご自身のメディアとして、ブログ形式の、文具で楽しいひととき「文具ウェブマガジン pen-info」を運営されています。
隔週でずっと継続。一年に26回前後として、ざっと300以上の記事がアップされていることになります。しかも、ご覧いただくとおわかりになりますが、写真も文章も非常に丁寧で、土橋さんの人柄や仕事に対する姿勢がジュンジュワ~っと滲み出ているアーカイブです。
文具の記事内容ももちろん素晴らしいのですが、わたくし的にはこの「人柄・仕事に対する姿勢」が超重要ですね。(と今回あらためて思いました。理由は後で書きます。)
実は今回、文具仲間でやっている「ブングスキーラジオ」というポッドキャスト(主催は文具コンシェルジュ協会の田中さん)に、ゲストで来てくださいまして、お話を伺ったんですね。
非常に内容が濃く、その場にいたにも関わらず、再度ラジオとして聞いた時に、いっぱいメモしちゃうほどなのですが、特にこのお話が衝撃的でした。
土橋さんのブログ運営のルール
それは、、、
・1年間の予定表を作る
・3本先くらいまでストックをする
・7~8つある工程に分割してすすめる
上から説明しますと、1年間の予定表を作るというのは、文字通りですが、年間26回の記事アップは、計画表に基づいて行われます。取り上げる文具と日付がタテ、それぞれの記事の工程チェック欄がヨコです。
これを見ただけでのけ反りましたが、さらに3本先くらいまで書きためているというのがスーパークールではありませんか。わたくしのように書いては出しの火の車とは違いますね。でも、土橋さんも昔は自転車操業だったそうで、ある時に意を決してがむしゃらに原稿を3本先まで書き上げたとのこと。そこからは、以前のペースに戻して、今日まで維持されているそうです。
この、3つ先までストックしておくメリットは、急な仕事が来た時に、余裕を持って対応できること。仕事でなくても、どうしても観たい映画を見るとか、急に読みたくなった本があっても、「後で、、、」と我慢しなくてもいいわけです。土橋さんのなんとも言えない落ち着きは、ここから来ているのだなとよくわかりました。
そもそも仕事が納期に遅れたことはない、納期当日ギリギリに納めたこともほとんどないという土橋さんですが、これでその安定性に拍車がかかったようです。
そして最後。7~8つある工程に分割してすすめる件ですが、これが一番ショックでした。なんと、ネタ(商品)決めから始まって、商品手配、その文具の紹介ポイントをリストアップ、万年筆で本文の草稿、ワードへの入力、商品撮影、テキストと画像をウェブ管理画面へレイアウト、推敲(3回)、編集後記、メーカー確認(する必要があるもの)という工程に分割しているのだそうです。
合計で4時間ほどの作業になるそうですが、以前一気にやっていた時は、倍くらいの時間がかかっていたそうです。
細切れにすることで、スピードも早くなるというのがすごいですが、そもそもなぜ分割するのか?
ひとりでウェブサイトを運営する場合、チェックを他人にしてもらうことができません。そこで、明日の自分を他人に見立てて、未完成状態のまま、未来の自分に引き渡すのだそうです。そうすることで、リフレッシュされた目で見ることができるので、ブラッシュアップが可能になると。あえて作業を分けて進めることがクオリティアップにつながるわけです。
さらに、一気にやることでの倦怠感、思考停止などに陥ることなく、結果的にスピードも上がったのだそうです。
とりあえず記事アップして、おかしなところは後から気軽に修正したり追記したりしてしまうわたくし、赤面する思いでしたが、考え方として参考になる部分が多いです。自分のパターン(毎日更新)でも真似できるところはしてみようと思いました。
工程表の話は、下記の著書で詳しく解説されています。ご興味ある方はどうぞ。
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そうそう、それで、先に「ブログで重要なのは内容もさることながら人柄とか仕事に対する姿勢が醸し出されていることが重要」と書いたわけですが、もし自分に仕事を依頼しようか迷っている人がいた場合のことです。相手が気にするのは、「波長が合うかどうか?」「お願いしたことをきっちりやってくれるか?」「納期をちゃんと守ってくれそうか?」ということだと思います。
ブログは、それを示すのに一番良いツールなんですね。
「専門性は記事の内容で表現できる」
「更新の頻度や定期性でマメさが表現できる」
「そしてなにより全体からにじみ出る雰囲気で人間性を表現できる」
と思っています。
そういった意味で、この土橋さんのブログは、非常にお手本度の高いメディアであると言えます。仕事お願いしたくなりますもん。
ブングスキーラジオでお聴きください。
今回のお話は、ポッドキャストのブングスキーラジオでお聴きになれます。
土橋さんの肉声が聴いてみたくなったあなた、ぜひどうぞ。
土橋さんの近著について
これもブングスキーラジオでお聴きいただきたいなぁ、、、
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なんと、科学絵本です!多くの人が意識したこともなかったであろう鉛筆のあの秘密が明らかに!お子さんといっしょにどうぞ。
仕事文具 土橋 正 東洋経済新報社 2016-04-08 売り上げランキング : 102458
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こちらはビジネス書です。昔に比べ、パソコンで仕事することが多くなった昨今ですが、「この作業はこの文具でキメる!」という文具指南の決定版。