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【読んでみた】『県庁おもてなし課』はビジネス書である。

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5月に映画化もされた、有川浩さんの『県庁おもてなし課』を読みました。
そして今回、稀代の売れっ子作家、有川さんが女性だと初めて知りました。(^^ゞ
ま、それは置いといて。

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まずは簡単なあらすじですが、高知県の観光部にできた新設部署、おもてなし課。
ここに配属された若手職員が、旧態依然としたお役所風土の中で悩みながら、新進気鋭の地元出身作家らに「民間感覚」を鍛えられ、「おもてなしマインド」を軸に観光の振興に邁進する物語。
奮闘する若者の成長と、彼を含む二組の男女の爽やかな恋愛を描いた、かなり気持ちよく読める一冊。

なのですが、、、

自称「ライトノベル作家」の有川さんが書かれたこの作品、もちろん楽しい小説であると同時に、なかなかのビジネス書でもあるなと思いました。
気になる箇所を引用しながら感想を書きたいと思います。

「名を刺すって書くだろ?ここぞってとき、狙った相手に自分の名前を確実に刺す。相手の意識に。そのための道具なんだよ。」

名刺の研究もしておりますのでわたくし特にこのフレーズが「刺さった」のですが、まさに仰るとおり。名刺を有効に活用しようとしたら、こういう意識になります。本質ですね。
これを、名刺を持たない作家が言うのもすごいですが、逆に有名人は顔が名刺ですから、持たなくてもいいのです。

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高知は、俺たちは、こんなものを持っていたのだ。

うーん、自分のことって実は一番見えてないものですよね。
自分、会社の棚卸しをしてみると、他が持っていないスゴイもの、持っていたりするのではないでしょうか。

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「客の印象に一番強く残るのは、生理的な欲求よ。要するに食事と排便じゃ。(中略)『食べる』がそればあ手堅かったら、『出す』も同等に重要やと気付かないかん。」

「そういう意味では『道の駅』って車社会における近年最大の発明だよな」

観光の振興を目指す上で、根本的なセオリーに到達しています。確かにそうなんですよね。ここを押さえておけばあとは何とかなるという「ツボ」です。
われわれ商売人も、日頃根本を忘れがち。お客様が本当に(最終的に)何を求めているのか?いつも考えながら仕事したいと思います。

「俺なら公式サイトで情報が出てこんかった時点で『ここはえいわ』って弾く」

上に同じですね。お客の立場でモノを見る、お客の立場で感じることができないと、こういうことになってしまいます。
客観って本当に難しいです。自戒します。

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「利益を生み出す企画だと分かっていても、それを手柄にできるのが自分ではないならいっそ潰してしまえという理屈は存在する。概ね管理職の層で起こる軋轢だ。」

大きな組織にいると、こういうことってよくありますよね。
わたくしの場合、そういうのがイヤなのも、以前の会社を辞めた理由のひとつです。
規模は小さくても、自分の思ったことをしたいもので。

つまり、役所のシステムにはそこで働く者の堕落が織り込まれている。お前たちは堕落する者だと最初から決め打ちされたシステムの中で、能力を発揮できる人間がどれだけいるだろうか。
ましてや、マニュアルにない新しいことを始めるなど。

むむむ、いわゆるお役所仕事への批判ですが、民間であっても同じようなケースはありますよね。
会社や業界の慣習、雰囲気の中での馴れ合いってキライです。今は文具の業界におりますが、せめて自分の周辺だけでも、そういった空気はなるたけ壊そうともがいております。(・∀・)

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「不便も商品にしちゃってるんですね」

便利になるということは、手に入りやすくなるということで、それはありがたみが薄れるということでもある。
「お客の不便を顧みて、お客にもちょっと頑張ってもらうプライスレス?」

例えば文具でも、全体の流れは確実に便利な方向へ進化しまくっているのですが、一方でわざわざ不便を楽しむ一派も増えています。(万年筆とか)
どこに価値観を見出すのかは、ユーザーさんの問題。その中でどの層にどんな切り口で訴えかけるかが、小売店のセンスだと思います。
いや、今ここを真剣に考えないと、文具の小さな小売店なんて、絶対に将来はないです。

以上、言いたいことを言わせていただきましたが、ビジネス書としてもいろいろ再確認というか、あらためて考えるきっかけをもらえた一冊でした。m(_ _)m

県庁おもてなし課

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by ヨメレバ

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