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小さな会社のウェブマスターがパーソナルブランディングについてごにょります。

電子書籍と絶版本と権利とわたし。

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わたくしのデビュー作である名刺についてのビジネス書なんですが、地道に売れる性質のものではありながら、諸般の事情で増刷はなさそうという雰囲気になっております。orz (出版社さんの直販サイトではまだ少し在庫があるようです。)

つまり、出版不況という実情を鑑みると、まぁこのまま絶版ということになりそうです。
悲しいですが仕方ないですね。

しかし、数年前でしたら、ここで「はい、これまでよ。」なのですが、最近はキンドルやiPadのおかげで、電子出版という可能性が考えられるようになりました。

通常、著作権者である著者と、出版権者である出版社さんの契約では、数年間という期間を切って(ただし多くの場合契約の自動延長項目がありますので、結局はお話し合いの上ということになるはずです。)、著者が出版社に出版権を与えるという形になっているようですので、その間は著者は勝手に電子出版することは出来ません。

また、「電子的使用」という項目も入っている場合がありますが、まだ多くの場合インターネットに掲載するケースを想定しているかのような条文になっています。やはり契約上もあやふや感はすごくありますね。

でもって、実際はどうなんでしょう?

出版社さんからしたら、自分があきらめたコンテンツの電子出版を認めて、万が一ヒットしちゃって大儲けされたら悔しいですよね。(笑)だから他社から電子書籍として出版してもいいけど、数%はこっちにくれというような仕切り直しを提案してくるはずです。

現に、紙ベースでのお話でも、絶版になったものを他社から再度出すことになった場合、元の出版社に一定のマージンを渡すことで、解決しているようです。(こんな方法があるとは知りませんでしたが、先日たくさん著書がある方に教えていただきました。)

ただ、わたくしの名刺の本の場合、文具メーカーエーワンさんの名刺作成ソフトとテンプレートの入ったCDが付録についており、本書の中身とも連動しているため、その権利部分が再販売での場合、ちょっと面倒くさいのと、電子書籍にした場合どうしよう?CDの内容をデータでダウンロードしてもらう様になるのかな?などと考えてしまうところではあります。

いろいろ鑑みると、絶版本の電子書籍化というのも、気軽なものではないなーと思いつつ、「だったら似たようでちょっと違う内容の本を一から書いて、新たな電子書籍としてチャレンジしたほうがいいのかなとか、ぐるぐると考えてしまう夏の日なのでした。

(7/26追記)
そんな折、こんな本が出ているのを発見しました。紙の本の名編集者さんの思い。感慨深いかも。

編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)
編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)

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