それを見る理由がありません ~過去語録06
地方のメーカーでそのような雑務をしつつも、会社のコンピュータの管理を任された自分は次第に「コンピュータを本業にしたい」と思うようになりました。
それでBeingやらDODAとかの転職雑誌を片手に都内近郊の会社の面接を受けて回りました。
その頃の自分は、どこにだって入れる気満々で、面接で落とされるということを考えたこともありませんでした。
とある大手ゲームメーカーで、社内SEを募集していたので、そこに面接に行ったとき、はじめて自分が何も知らないことを思い知らされました。
出てきた面接官は、5人くらい。その中に技術のチーフらしきおじさんが混じっていました。
その人以外の面接官はよいのですが、その技術者の言うことがまるで理解できません。
「なるほど、そちらの会社で独学でシステムを組んだのですね。今ER図は見せてもらえますか?Accessだと排他制御が弱く、クラッシュすることがあると聞いてますが、その場合のリカバリはどうやってますか?まさかDLTとかは無いわけでしょう?ちゃんとトランザクションなどかけてますか?」
前身から冷や汗が出て、頭が真っ白になってしまいました。
するとその技術者では無いたぶん一番偉そうな面接官がいいました。
「島田さんね。すごく勉強していることは分かるけど今回はたぶん合格はしないと思うよ。今回は我々が頼りにできるようなベテランのエンジニアを求めていたから。」
というような内容を丁寧に伝えてくれました。
今思えば面接官がその場でそんなことを言ってくれるのは非常にありがたいことです。通常は理由も無く不合格、そしてお祈りです。
しかし、自分はそれに納得ができず、家に帰ってから自分が作ったプログラムをフロッピーディスクにコピーして郵送しました。
専門用語はよくわかりません。でもこれを見てください。これを自分一人で作りました、と。
数日後、そのフロッピーと共に返事が返ってきました。
「面接の結果は不合格です。その決定は覆りません。フロッピーの中身は見ていません。私たちはそれを見る理由がありません」
と。
確かにおっしゃる通りなんですが、当時の自分はその冷たい文面に打ちひしがれたものです。
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