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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

なぜ「国内ラボ開発」が開発者から批判されるのか

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だんだん暖かくなって来ましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

ところで、1ヶ月前ほどからtwitterにて、当社が絶賛ごり押し中の「国内ラボ開発」のプロモーション広告を掲載したのですが、これがなかなかに、、、不評でしたね!!

「それは仕様変更なので別見積りです!」 「その修正は今からは無理です!」 システムの発注担当者なら、一度や二度は、開発会社のこんな言葉に腹を立てたことがあると思います。 国内ラボ開発なら理想のシステムを最短距離で構築できます!

twitterlabo.jpg

(画像クリックでプロモツィートに飛びます)

■中身を読まずに批判するのはやめて

まあ、基本的に我々と同業者の方が、お客様向けのコピーを見て

「お前はアホか!」
「お客さんにこれを言わせないことがお前の仕事だろう」
「単純にマネジメントが出来てないだけ」
「腹を立てるのはこっちだ!」
「こういうヤツがIT業界をブラックにしている」

とおっしゃっているようですが、少なくともマンガくらいは読んでもらいたいものです。

とはいえ、

「こんな長いマンガ読めるか!」
「スマホで読むと字が小さくて大変なんだよ!」

とおっしゃられる方もいらっしゃるかも知れないので、簡単に比喩でご説明しますと、、、。

これまでの受託開発というのは、事前見積り制のタクシーだったわけです。

東京に詳しくないお客さんが羽田空港に降り立ち、タクシーに乗り込み「浅草寺まで行ってくれ」と言ったとします。

すると運転手たるあなたが「(浅草寺までなら、あの道通ってあそこで曲がって、、、ということで)1万円で行きますよ」と見積り、その金額で合意が取れたら出発する、というスタイルです。

もし道が混んでいたり、工事で予定していた道が通れなかったとしても、そのリスクはあなたが持ちます。だからそういうリスクバッファは1万円の中に織り込まれています。

特に問題なく目的地に到着すれば、リスクバッファの金額(たとえば2,500円)はあなたの懐に入りますが、時には酷い渋滞に巻き込まれ損失が出てしまうこともあり得ます。そういう過去のさまざまな経験に基づく平均的な金額で算出されたのが「事前見積り金額」であって、お客さんとしては「ホントにそんなにかかるのかよ?」と思っても調べようがありません。情報が業者側に偏在してるんですね。

■行き先を変更されるとつらいこれまでの開発手法

また、この契約スタイルは、お客さんが途中で「あー、浅草寺じゃなかった。行きたいのは増上寺だった。」とか言い出すのは大問題です。

あなたはなんとかお客さんを、時になだめ、時に脅し、時に泣き落とし、その心変わりをやめさせようとします。別に悪いとは言ってないですよ。「双方で始めに交わした約束は最後までやりきる」というのが本来的な姿ですからね。

ただ、中にはそれを許す運転手さんもいます。「あー、もうかなり浅草寺の近くまで来てしまったのですが、、、そうですね。ここからだとまだそう遠くはないので12,000円で行きますよ。どうですか?」と交渉してきます。アジャイリーなタクシーです。

「12,000円か。まぁ、途中で行き先を変えたからな。しょうがない。」とおっしゃってくれればいいですが、

「俺は浅草寺に行ってほしいとは言ってない!浅草寺か増上寺みたいなところを見てみたいと言っただけだ!」

とか言われると辛いですね。そんなときどうするべきなのか。

隠していたボイスレコーダーを突きつけ、無理矢理浅草寺まで連れて行くべきなのでしょうか。

そのようなことがないように、発車前に書面化してハンコをついてもらうべきだったのでしょうか?

あるいは、リスクバッファとして積んであった費用を使って、増上寺に向かい、10,000円の予算が尽きた段階で降りていただくべきなのでしょうか?

筋をお話しし、なんとかかんとか納得していただき、「そんなに追加の2,000円が欲しいのか!ほらよっ!」と札を投げられ、それを拾って増上寺に向かうのが双方にとってハッピーなのでしょうか?

■お客さんは自分がどこに行きたいのかわかっていない(ことがある)

私は20年受託の会社をやってきて、このような葛藤をずっと抱えてきました。(さすがに札を投げてくるようなお客様はいませんでしたが、それまで培ってきた信頼関係がガラガラと崩れてしまうことは無かったとは言いきれません)

多くのちゃんとした開発会社のベテランさんは「始めに何度もお客さんに念押ししろ」と言います。それこそがこのようなトラブルを避ける唯一の方法である!と。

先般のプロモツィートに憤る諸兄もきっとそういう方々でしょう。お客さんにワガママを言わすのは、営業やPMの力量不足だと。

しかし大事なポイントは、お客さんは自分が「浅草寺」に行きたいのか「増上寺」に行きたいのかわかっていないことがある!という現実です。

もし自分の行きたい場所がはっきりわかっているお客さんや、わかったフリをしてくれるお客さんだけを相手にするのであれば、これまで通りの事前見積りスタイルでいいと思います。

しかし、そうじゃない場合。

東京に土地勘がなく、羽田から「とりあえず都心の方に行ってもらって、東京らしいお寺が見たい。」というお客さんに対しては、車を動かしながら話をまとめてはどうですか?という提案をしているわけです。

羽田であーだこーだ交渉を続けていたら、どんどん時間がかかって、日が暮れてしまいます。(=デスマの原因)(=開発自体に意味がなくなることも)

■料金メーターを使えば融通が利くし、安くなる(こともある)

当然のことながらこのスタイルでは先に見積ることはできないので、料金メーターを回すことになります。

メーターを倒し、車を発車させ、首都高に乗り、東京の景色を見ながらいろいろ話をしていると、

「増上寺って、東京タワーも見えるんだなー!知らなかったよ。それじゃあ断然増上寺だ!」

と話がまとまれば安く済みます。(*1)

目的地を変えなくてもリスクバッファを積まない分、渋滞も工事もなければ安く済みます。

ただ

「、、、と思ったけど、やっぱり浅草寺がいいな、、、浅草寺に向かってくれ。あ、いや、やっぱり寺はいいや。スカイツリーが見たくなった!いやいや、待て待て、やっぱり原宿へ!」

と、指示があっちゃこっちゃすれば当然高くなります。

そうならないように、我々ラボの運転手はお客さんの立場に立ってあれこれ提案します。料金メーターは運転手のためのツールではなく、お客さんと運転手両方に情報を与えてくれるただの計器です。


このような仕事の進め方をするのが国内ラボ開発でして、決して「奴隷契約」でもなければ、これまでのスタイルで仕事されてる運転手さんの生活を脅かすものでもないです。

タクシーの場合は、まあ「目的地を事前に決めるくらいそんな難しくないだろう」という感じですが、要件が複雑なシステム開発、新規性のあるサービスの立ち上げなどというのはやってみないとわからないことが多いです。

そういう、目的地がお客さんにも開発側にもはっきりわからない開発にとてもマッチするのがこの開発スタイルです。


(*1)参考までに羽田から増上寺、羽田から浅草寺のルートはこちら。

羽田から増上寺まで

(18.4Km)

羽田から浅草寺まで

(26.1Km)


 

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