謝罪の電話で笑ってはいけない
先日「かかりつけ焼き鳥屋」の話を書きまして、次回はその見つけ方、あるいはそこでいったい何をやればいいのかについて書きます(正確には「書くかも」)と言ったのですが、多分に漏れず、テーマを先に宣言すると書く気がなくなるものですので、別のことを書きます。
■謝るときには笑ってはいけない
ビジネスでは、日常生活の感覚を持ち込んで判断してはいけない、ということはしばしばありますが、今日はその中の1つです。
「謝るときには、ほんのちょっとでも笑ってはいけない」
これは実はビジネス上とても重要なルールで、たとえば携帯ショップの窓口の人、郵便局の窓口の人、保険の勧誘電話をかけてくる人、ホテルマン、葬儀屋さん、どの業界でもみな例外なくみな守っておりますが、弊社クラスの小さい会社で、しかもちょっとした失言で何時間もド突きまさわされるようなことのないBtoBがメインの会社では、結構な確率で守られてないです。
およそ日常生活において、人は会話をしているとき、相手から笑顔を見せられると反射的に笑顔を返す性質があります。
私たちは本能的にこれを知っているので、普段の生活ではちょっとしたミスを犯して相手の許しを請おうという際に、つい笑って「ごめんなさい」と言ってしまいます。
初めからは笑顔を見せないまでも、「ごめんなさい・・・よく前を見てなくてぶつかってしまって(ニコ)」くらいはやってしまうものだと思います。
しかしビジネスではこれは厳禁です。
お客さんに謝るときには、絶対にニコしてはいけません。
■「自分がそうだから相手もそうでは?」は通用しない
ミスの原因説明(=言い訳)の最後に「へへへ」とつい笑ってしまう。
お客さんによってはそれだけで逆鱗に触れる可能性もありますし、東京の人などは表立って怒りを露わにせずとも(あいつは謝りの電話で笑ってやがった。ふてぇ奴だ。)とねちっこく覚えていたりします。
もちろんそんなことを思わない人もいるでしょう。
これを読んでいる読者も「俺or私はそんなことでは怒らないし、時と場合と相手によるんじゃないか?」と思う方もいると思います。
しかしその認識は甘いです。これに関しては「自分がそうだから相手もそうでは?」と考えてはいけません。
・電話は相手より先に切ってはいけない
とか
・電話が鳴ったら2コール以内に取らなければいけない
とか
・電話は昼休み時間にかけてはいけない
とか、「今時そんなこと気にするか?」と思っても、実際気にする人がいるのでやっておくにこしたことがないのです。
■謝りの電話では一切笑い無し
さて、ではどうするか。
謝罪のときは相手が「そこまで言わなくても...」と思うレベルで本気で謝ります。一切笑い無しです。
するとお客さんが「まあまあ、今後気を付けてもらえばいいですよ、はっはっは」と笑ってくれたりします。
しかしここに来てもまだ、合わせて笑ったらいけません。
謝罪の電話であれば、最後、電話を切るまで笑ったらいけません。
お金をいただいているお客さんは、「担当者が笑ったから許す」などという便利関数は持ち合わせていないのです。
もし許すことがあれば、
・自分もミスをすることがあるしな
とか
・いつも誠意を持った対応してもらっているからな
とか
・昼に食べたトンカツ、旨かったなぁ
とか、そういう何か別の理由からです。(その意味で謝罪の電話は、もし特に時間の指定がないなら午後一で掛けるのはかなりアリです。)
そしてこの「一切笑わずに謝る」というのはちょっとした訓練が必要です。たいていは日常生活の中でニコをやってしまう癖がついてますからね。
意識して努力しないとなかなか癖が抜けなかったりしますので、明日以降、ミス、ポカ、失言、暴言をするたびにやってみましょう。
一日一回以上が効果的ですよ。