Slack、Zoom日本法人代表と考える「新しい働き方」
先週木曜日(6月18日)、「令和のキーパーソンと『新しい働き方』について考える!bouncyのオンラインイベント」に参加しました。ゲストスピーカーは、今年特に話題を集めている二社から、Slack Japan日本法人代表 佐々木聖治氏と、ZVC Japan 株式会社(Zoom) カントリーゼネラルマネージャー 佐賀文宣氏です。
モデレーターは、bouncy編集長 津田啓夢氏。
注目の二社だけあり、イベント登録は700名に上り、登録者のうち7割程度が東京近郊在住の方で、8割が男性。私は、香港在住で女性なので、参加者の属性の中ではマイノリティーでしたが、離れているからこそSlackやZoomの恩恵にあずかっているところも大きいので、これらのツールが更に日本全国で当たり前に使われるようになると、ビジネスの可能性も広がるのではないかと感じました。
新型コロナ後の世界、都市の一極集中は?
新型コロナ後の世界において、「都市に住んでいる必要がなくなる」という傾向や予兆があるかどうか?と、モデレーターの津田さんから質問が投げかけられたところ、Zoomの佐賀さんから、会社には、拠点が異なったり、階が異なったりといった「物理的なサイロがたくさんある」が、オンラインでそう言ったものを壊すことができるのではないかという意見が挙がりました。佐賀さんは、IBM在籍時に北海道赴任の経験があるとのこと。その際に、北海道から東京で行われている会議に参加すると、なんだか「東京の会議室にいる人の方が偉い」というような雰囲気があり、彼らに発言権があって、「自分の意見が通らない」と感じたことがあるけれども、「そういったことが、オンラインにいると公平ですから」とおっしゃっていました。これはまさに私も香港から実感しているところです。
3月の後半、1日に300万ダウンロードという状況もあったほど、飛躍的にユーザー数が伸びたZoom
会社・組織の管理体制の変化は?
今後の会社や組織の管理体制の変化というテーマについて、Slackでは、コロナの前は、「会社でハードワークして早く帰ろう」というようなキャッチフレーズを持っていたが、今は、それとは異なり「stay home safely」なので、「オフィスに戻った時、どんなオフィスのあり方が必要なのか」を議論しているところ。発想を掻き立てるような生のコミュニケーションをする必要のあるタイミングやプロジェクトに関しては、オフィスときちんと使えるように、「例えばレイアウトの変更が必要」かもしれないといったように、議論を進めているそうです。完全にリモートか、完全に通常のオフィス勤務に戻るといういずれかではなく、その会社ごとにどのようにハイブリッド方式で運用していくか、会社のカラーによって異なるような世界になりそうですね。
変化するコミュニケーションの方法
Slackの佐々木さんから紹介があったのは、環境変化に対応できる組織が持つ三つの要素について。まず、「透明性」と「心理的安全性」があり、それらに支えられて、高い「生産性」を実現することができるという、三要素が紹介されました。特に、Slackでは、心理的安全性を重視していて、トップのメッセージが重要であり、従業員のリアクションも大切にしているとのこと。例えば、CEOが「仕事を頑張りすぎないで!」と声をかけてくれる(下記スライド参照)。そんなことも、社員の心理的な安全性を保つことに、一役買っています。
また、Slackの中でできることとして、例えば、新入社員の紹介、ボットが社員を自動的にマッチングして会話を促す仕組みの利用(下記図を参照)、部署を超えた気軽なチャンネルの活用が紹介されました。
また、これは便利だと思ったのが、ZoomとSlackの連携。下記スライドは、同じチャンネルに集まっている人たちに対し、「面接が終わったら手を挙げて」とコメントがされており、スレッドにいる全員が手を上げたところで、「/zoom」というコマンドを入力すると、そのままZoomでのミーティングが立ち上がるというもの。
働き方の未来とは?
最後に、働き方の未来に関するテーマで、Zoomの佐賀さんが挙げていたのが、現状のコミュニケーションツールがプラットフォームとして複雑すぎるため、「プラットフォームの垣根をなくしていくことが理想」ということ。佐賀さんは、今回のイベントの中で、何度も「普段使い」ということをおっしゃっていて、これだけZoomが急拡大した中にあっても、さらに、もっとユーザーが疲れることなく、意識することなく「普段使い」をしていけるような状態を理想としているようでした。また、例えば、Zoomでは、会議において、「通訳者の声を80%、オリジナルの声が20%という」設定ができて、よりスムーズに聞き取りやすくなる機能が入っている他、今後は、自動翻訳ができるような世界もベータではあるが実現できているそう。それによって、「地域の壁、言葉の壁がオンラインで解消できる」世界が、近い将来実現するのではないかということでした。
イベント自体が1時間半を超える、内容の濃いものだったので、気になったところをピックアップしてみましたが、全ての動画は下記リンクから閲覧可能なので、興味がある方は是非ご覧ください。
YouTube動画リンク:
https://youtu.be/v6nWyJ0fR4s
上記は、2020年6月18日時点の情報です。