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電子出版EXPO GAFMAってなんだ?

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「第16回 [国際]電子出版EXPO」の初日、楽天の三木谷社長や、講談社の野間社長など4人が登壇したパネルディスカッション「人が求める書籍・出版に私たちはどう応えていくのか」を、聴講してきました。その中で気になったポイントを3つ挙げます。注目の高い分野だけあって、聴講者数は、2,800名にも上ったそうです。

1. 市場規模と3~5年後の電子書籍の割合
野間社長によると、「(電子書籍は)600~700億の市場があると言われている。去年までは、そのうち8~9割がガラケーコミック」。一方で、「コミックは、雑誌も含め4000億超の市場。つまり、コミックはすでに一割以上が電子。コミックについては、これが2~3割行くのはそう遠くない。雑誌はまだ難しいが、書籍・コミックは2~3割は、5~10年後には行くのでは?」とのこと。先日、インプレスの発表でも、市場規模は629億円となっていました。

2. GAFMAの動きに注意
野間社長が、6月に南アフリカで行われた「International Publishers Congress」 に参加した際、「GAFMA(ガフマ)」という単語をよく聞いた。これは、「Google、Amazon、Facebook、Microsoft、Apple」の5社の頭文字をとった単語で、先進国の出版社は、これらの会社とどう付き合っていくかを話題にしていたとのこと。

3. 電子出版業界の転換点 
電子書籍普及の流れに関するディスカッションの際の野間社長の発言。「 一番流れが変わると思うのが、教科書の電子化。日本は2020年と国が方針を出している。ここで一気に流れが変わるのではと思っている」

普段は、端末/サービス提供者側の声を、主にIT系/ビジネス系メディアを通して知ることが多いので、出版社側からの声を聞くことができたのは、個人的にはとても面白かったです。また、4月末に電子書籍端末を購入し、かなり活用しているので、より多くの本が電子版で読める日を楽しみにしています。

おまけ:台湾での電子書籍配信
野間社長が、「台湾に配信会社を作り、中国語での電子書籍配信を行っている。将来的には大陸を」と発言していたのも気になりました。日本から中国語の電子書籍が買えると良いのに。どちらかというと「日本語コンテンツ→中国語化して配信」というところがメインなのかもしれませんが。(参考記事:台湾で『課長島耕作』など電子配信、MSN産経ニュース、2012年2月6日)


<関連リンク>
イベント公式ページ: 第16回 [国際]電子出版EXPO
http://www.ebooks-expo.jp/

参考記事:
国内の電子書籍市場の「今と未来」を楽天と講談社の社長が語る(ITmedia ebook USER、2012年7月5日)
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1207/05/news073.html

「電子書籍は書店連携を重視」――楽天・三木谷社長と講談社・野間社長 (ITpro、2012年7月5日)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120705/407531/

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