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21球の成長

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全ての演奏家は演奏会を目指して日々地道な練習を続けています。
良い演奏をするためです。
しかし、最後の最後、本番で上手くいかないこともたくさんあります。
 
 
昨日の記事で書いた江夏豊投手は、野村監督との出会いで最高のリリーフエースとして蘇りました。
その後、広島に入団し「江夏の21球」という伝説のエピソードにより、広島日本一の立役者となったのです。
 
1979年プロ野球、日本シリーズ。
広島カープと近鉄バッファローズとの戦いでした。
3勝3敗で迎えた第七戦。
 
近鉄が広島のリリーフエース江夏投手を攻め一打逆転サヨナラ優勝の場面を迎えました
ヒッティングに来るのか、スクイズを行うのか・・・。
近鉄、西本幸雄監督の決定が全てをきめる場面です。
 
この場面において西本監督は隣にいたコーチにつぶやいたそうです。
 
「この正念場、しっかり目を見開いて、よう見ておけ」
 
しかし、ヒッティングで勝負にでたところ三振。
そして次のスクイズを江夏投手に読まれてしまいます。
 
この試合に敗れた近鉄は日本一にはなれませんでした。
しかし、近鉄はそれから大変強いチームに成長し、常に優勝を争うようになっていったそうです。
 
西本監督一世一代の意思決定をすぐ横で全て見ていたコーチと選手達は、勝負とはちがう何か大切なものをつかんだのかもしれません。
 
一生懸命に何かを成し遂げようと思い、結果思うようにいかなくても、最大の報酬である成長があるからこそ、また次に向かって頑張れるのですね。
 
それでは、今日はその「江夏の21球」を見てみることにいたしましょう。

 
球場全体がまるでワールドカップ決勝のような熱気と興奮に包まれる中、5分37秒、スクイズの場面。
 
西本監督の何ともいえない様子が伝わってきます。
瞬時に見破った江夏さんも素晴らしいですが、サインとは違うボールを受けたキャッチャーも見事です。
鳥肌がたちました。
  
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