山本太郎議員が倒すべきなのは安倍政権なのか
山本太郎議員が「読んで下さい」というブログでホームレスの置かれた現状を報じています。議員の歳費は炊き出しを手伝うために出されているものではありませんが、人々の声を聞くために自分自身で現場に行くというのは良策です。百聞は一見にしかず。
もっとも山本議員が指摘するように日本国憲法では「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有」していると定められていますし、そのための社会保障制度もあるので、ここに挙げられた人々がどうしてそうした制度の対象になっていないのかという理由はわかりません。
さて、山本議員はブログで次のように書かれています。
しかし、2015年春から施行された、
生活困窮者自立支援法の予算措置で、
国が三分の二、自治体が三分の一、負担となった。
たしかに、生活困窮者自立支援法には次のように記されています。
(国の負担及び補助)
第九条
......
2 国は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、次に掲げるものを補助することができる。
一 前二条の規定により市等及び都道府県が支弁する費用のうち、第七条第三号及び前条第三号に掲げる費用の三分の二以内
※費用とは「生活困窮者就労準備支援事業及び生活困窮者一時生活支援事業の実施に要する費用」
ところで民主党のサイトにある「連合から「生活困窮者自立支援法の施行に向けた緊急要請」受け意見交換」という2015年04月01日の記事では次のように書かれています。
神津事務局長は「生活困窮者自立支援法は民主党政権時代だからこそできた法律だ」と強調。
...
枝野幹事長は「ご指摘の通り、この法律案は民主党が作ったという自負のもとでやらせていただいている。......」
どうやら山本太郎議員が倒すべきなのは民主党政権ということのようです。(もはや、その必要はありませんが)
一般論として、景気の悪いところに行けば「現政権が悪い」という声を聞くことができ、景気の良いところに行けば「現政権が良い」という声を聞くことができるでしょう。社会というのは、さまざまな人々で成立しているものです。山本議員が話を聞いた中には含まれていないかもしれませんが、世の中には生活困窮者自立支援法で助かったという人がいるかもしれません。ごく一部の人たちの話だけで「現政権を倒すべき」根拠としてしまうのは、"国"会議員の姿勢として疑問を抱かざるを得ないところです。