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Zoom.comは200万ドル

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たまには、新型コロナに関係ない話題を取り上げましょう。もっともまったく無関係というわけでもありません。新型コロナ対策で急成長しているテレワーク市場で人気のZOOM(Zoom Video Communications Inc.)ですが、名前がそっくりの株式会社ズームの株価が急騰したという話題がありました。株式会社ズームのお問い合わせページには「当社はWEB会議サービスの「Zoomミーティング」とは何ら関係ありません。ご注意ください。」と呼びかけられていますが、ドメインが「zoom.co.jp」ですから誤解を招くのもしかたないかもしれません。ビデオ会議のZOOMの公式サイトは「zoom.us」ドメインが使われています。

実は、海外でも同じようなことが起きていました。"Zoom confusion leads SEC to halt trading for Chinese company"という記事によれば、ビデオ会議のZOOMが話題になり始めた3月下旬に、中国企業のZoom Technologiesの株が急騰し、アメリカの証券取引委員会が取引を停止したそうです。

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ここまでなら、「よく調べてから投資しなさいよ」という話なのですが、ちょっと調べてみると面白いことがわかりました。毎週、高額なドメイン取引のランキングを紹介しているDNJournalによれば、公開された取引ではないものの、Zoom Video Communications Inc.が2019年1月末までの会計年度でZoom.comを購入したことが確認できたそうです。実際、zoom.comにアクセスすると、zoom.usに誘導されます。報告書には"purchases of intangible assets of $2.0 million"(200万ドルの無形資産の購入)として計上されている部分は正確には$2,018,000であり、これは「200万ドル」という対価と、escrow.comの手数料17,800ドルのことだろうと推察されています。そして、zoom.comの過去の使用者を調べてみると、それが Zoom Technologies だったようなのです。

かつてMercury Interactiveが、Mercury.comというドメインをMercury Technologiesという会社から購入したことがありました。この時の価格は70万ドル(+40万ドル分のソフトウェア使用権など)ということでしたが、このように"使っているドメイン"を入手するのは、"とても高くつく"ことになります。もっとも、その Mercury.com も Mercury Interactive が HP に買収された後、別の会社に売却されたようです。

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