2015年のドメイン取引ランキングと新gTLD、.みんな おぼえていますか?
昨年に引き続き、今年も DNJournal による「年間ドメイン取引ランキング」についてまとめます。
が、今回もまずは「.みんな」について取り上げます。もう忘れられているかもしれませんが、2014年に登場した大量の新gTLDのひとつです。2014年3月に登録が始まり、昨年のエントリに書いた通り、2014年11月時点での登録数は3,645個でした。ちなみに同時期の .com の登録数は118,760,660個です。桁が違うというレベルじゃないですね。ちなみに、.com は2015年9月には122,892,307個で、つまり10カ月で400万個以上増えました。「.みんな」の登録数はというと 2,092個です。つまり増えるどころか1500個ちょっと減りました。3分の2以下になった感じですね。1年後にどれくらい残っているのでしょう。
かつて「新たに登場した gTLD たち」というエントリで大量の新gTLDが導入されることに疑問を呈しましたが、わりと予想通りの状況になっているようです。gTLDなので簡単にやめるわけにもいかないでしょう。個人的には「P.A.Works」とツイートするたびに URL として認識されてしまうのがうっとおしいです。
さて、本題の DNJournal「2015年ドメイン名取引ランキング」です。例によって、対象は sedo などの取引サービスが使われて公開されたものだけです。企業間や企業と個人で行われる非公開の取引は含まれません。
昨年、公開された取引で100万ドルを超えたのは4個で、意外に少なかったという印象です。しかも、Porno.com($8,888,888)とWe($8,000,000)が突出していますが、PX.comと588.comは$1,000,000です。100位までの取引総額も3867万ドルと昨年の4244万ドルに比べて若干減りました。ただし、100位の取引は$78,500で、昨年の100位$64,499に比べて少し底上げされている感じです。
100個中、実に86個が.comドメインで、うち48個はセカンドレベルが4文字以下のいわゆるショートレタードメインです(3文字以下は36個)。特に英3文字や2文字の.comのショートレタードメインは常に「空きがない」ほどの人気ドメインで、以前から高値で取引されることが多かったのですが、そこに世間で話題になっている中国による"爆買い"の波が押し寄せた感じです。昨年、「3文字の英字.comドメインに1万ドルのオファーが珍しくない」と書きましたが、今では2~3万ドルも当たり前のようです。これとは別に、セカンドレベルが1文字のものが6個あります(すべて新gTLDで、.topが4個、.xyzと.coが各1個)。ショートレターはその性質上"数が限られている"ので価値が下がりにくいのですが、ここまで来るとちょっとビックリです。中国経済の先行きが不透明な昨今、今後のドメイン取引にどれくらい影響するのか興味深いところです。
トップ100の取引総額の推移は、以下の通りです。
年 | 取引総額(※) |
---|---|
2015 | 3867万ドル |
2014 | 4244万ドル |
2013 | 2714万ドル |
2012 | 1825万ドル |
2011 | 2231万ドル |
2010 | 4439万ドル |
2009 | 3462万ドル |
2008 | 4395万ドル |
2007 | 4324万ドル |
2006 | 2970万ドル |
2005 | 1643万ドル |
2004 | 991万ドル |
※DNJournal による取引額トップ100の総額。
「2014年のドメイン取引ランキング」
「2013年のドメイン取引ランキング」
「2012年のドメイン取引ランキング」
「2011年のドメイン取引ランキング」
「2010年のドメイン取引ランキング」
「2009年のドメイン売買ランキング」
「2008年のドメイン売買ランキング」
「2007年のドメイン売買ランキング」
「2006年のドメイン売買ランキング」
「2005年のドメイン売買ランキング」