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「三歳には見えないね、こみぽちゃん」

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(タイトルの元ネタは "You Don't Look 35, Charlie Brown!" です)

今月のアドベントカレンダー企画「WPF(XAML)開発Tips」では、挿絵代わりに毎回マンガを描いています(そんな暇があったら、スクリーンショットを載せろという意見はありそうですが)。このマンガを描くために使っているツールが、以前にもご紹介した「コミPo!」です。その「コミPo!」が、今日で三周年を迎えました。本家のブログにお祝いメッセージを載せるという企画があったので寄稿したのですが、せっかくですから、こちらにも載せておきます。


「コミPo!」三周年、おめでとうございます。せっかくですから、「コミPo!」の出会いを振り返ってみようと思います。

「絵をかく心得や趣味、理解する能力」を意味する「絵心」という言葉があります。「絵心」がある人は、「こんなキャラがいて、こんな感じで」ということを、いとも簡単に描きます。実に羨ましい能力です。

もともと日本人は絵や図で説明されることを好みます。「マンガで読むナントカ」という本のいかに多いことか。技術書も例外ではありません。大衆向けのソフトの入門書で、カラー画面が多用されていることに、ほとんどの人は疑問すら感じないでしょうが、実は欧米では入門書も文字ばかりです。だから、マンガで説明したい、と思うことは多いのですが、絵心がない私には無理でした。「サザエさん」を描いても「オジさん」になってしまい、「ドラえもん」を描いても「ぼのぼの」になってしまうのです。必要な時は「描ける人」に頼んでいました。

技術は進歩しました。計算が苦手な人にとっての電卓、きれいな字を書けない人にとってのワープロ、楽器の演奏が苦手な人にとってのDTM、技術は人が苦手なものを助けてきました。自分の代わりに歌ってくれる「初音ミク」というソフトも登場しました。しかし、かつてのペイントツールは絵心のない人を助けてはくれませんでした。

そこに登場したのが「コミPo!」です。これこそ「待ち望んでいたもの」でした。いや、「待ち望んでいた」というのは正確ではありません。こんなものが本当に登場するとは思わなかったからです。開発元がウェブテクノロジである、というのは別の驚きでした。グラフィック関係の技術で手堅い仕事をしている会社ではなかったのか、社名が似ている別の会社かと思ったくらいです。もちろん、そんなことはなかったのですが、それだけに「口先だけのソフトではないだろう」という品質にも期待できました。

最初は体験版でした。何しろ今までにない類のソフトです。発売前にベータ版で体験してもらおうという企画がありました。すでにメディアでは実際の使用レポートなどが伝わっており、1日も早く触ってみたくて仕方がなく、早速体験版に申し込みました。申込数が多くて抽選になったという体験版に、早速申込み、抽選2日目に当選通知がありました。

さっそく、体験版をダウンロードして、一晩徹夜して「マンガで読むSilverlight」という8ページのマンガを描いてみました。マンガの描ける人にとっては簡単なことでも、ツールを使うとなると面倒な手順が必要だったり、制約を受けるということもあります。しかし、誰に頼ることもなく「マンガで読むナントカ」を描ける! これこそが「新しい技術革新」というものでしょう。

製品版が出たら買うしかない、と思ったものの心配していたのは価格です。買うなら安い方がいい、というのは誰しも思うところですが、開発者でもある私からすると、この開発には相当の労力が割かれたであろうことが容易に想像できたからです。それが1万円を切る値段設定とは、まさに予想外でした。これでも「遊びで買う」には高いかもしれませんが、いったい、いくつ売って元を取るつもりなのだろうと、ソフトの行く末が心配になるような値段でした。

あれから3年が経ちました。行く末の心配は杞憂に終わり、キャラクターや衣装データなども充実してきましたし、あちこちで「コミPo!」で書かれたマンガやイラストを見るようになりました。そういうものも「コミPo!」を知らない人が見たら「誰かが描いたマンガ」と思うのでしょう。私もブログに四コマ漫画を添えていたせいで、「マンガも描けるんですね」と言われたこともありました。そこは正直に「描けませんが、実は…」と答えるのですが、まだまだ認知度が低いということなのでしょう。それはしかし、今後の伸びしろが大きいということに違いありません。今後、ますます普及することを願っています。


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