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グルーポン系ビジネスの今

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あえてフラッシュマーケティングとは言わずグルーポン系と呼びますが、東日本大震災や原発事故のせいか、一昨年末のグルーポンおせち騒動が遠い昔のようです。おせちの件はニュースにもなり、グルーポン系ビジネスも下火になるかと思っていたのですが、そうでもないようです。

■クーポンジェイピーの集計

クーポンジェイピーというサイトでは、2010年12月からクーポン共同購入サイトの月間実績を毎月集計しています。先月までの数値をグラフにしてみると次のようになります(2011年3月は大震災の影響で、集計が見送られています)。

共同購入クーポン市場の推移(2010年12月~2012年2月)※クーポンジェイピー調べ
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おせち後の2011年1月、2月は落ち込んでいるのですが、その後は盛り返しており、「成長が続いている」というには微妙ですが、“ピークを過ぎた”わけでもないようです。

中でも2強、「グルーポン」と「ポンパレ」は目を引きます。前身のクーポッドと本系グルーポンが提携した「グルーポン」は急速な営業体制の拡大でも話題になりました。米国ではグルーポンが独走していますが、日本におけるクーポンサービスの雄「ホットペッパー」が、グルーポンに強く対抗しているという状況です。この2社だけで、共同購入クーポン市場の8割を超えています。先月には、「くまポン」と「シェアリー」が業務提携を発表しましたが、この2社の合計が市場の約1割です。いまだグルーポン系サイトは100社を超えますが、ランキングにも入らないようなサイトは、営業的にはかなり厳しいのではないでしょうか。

Comics33_lo■ソーシャルメディアの効用

グルーポン系ビジネスが話題になり始めた頃は、ソーシャルメディアと相性が良いと言われていました。おおむね半額以下という激安クーポンを短い時間で成立させるためには、皆がこぞって広めようとするだろう、そのために個人と個人のつながりが活用されるだろうという理屈です。それなら Twitter のフォロワー数の影響が大きいのではないかと思い、各サービスの Twitter のフォロワー数を調べていたことがあります(1年以上前)。ところが、実際には各社の売上規模はフォロワー数にはまったく関係ありませんでした。上記のグラフに示した売上上位10サイトの Twitter アカウントのフォロワー数は次のようになっています。

サイトフォロワー数
2010/10/24時点2012/3/5時点
GROUPON 25,853 54,605
ポンパレ 19,449 75,610
シェアリー 6,171 8,028
一休マーケット 1,110 6,113
くまポン 60 1,985
LUXA 4,761 8,681
トクー!ポン 3,392 4,237
ベネ!PON (n/a) 1,366
TOKUPO 31,976 49,507
CouponBank 2,432 19,308

Twitter だけがソーシャルメディアではありませんが、これほどまでに相関性が見られないのは意外でした。中にはテレビコマーシャルを出しているものも見かけますが、グルーポン系ビジネスは(少なくとも日本においては)ソーシャルメディアをうまく活用した例とは言いにくいのではないかと感じています。

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