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【妄想未来記事】「YouTube のダウンロードサイトは合法」――ミュージックゲートの勝利がもたらすもの

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このエントリはフィクションです。本記事に登場する会社名および架空のサービスは、現実の会社などとは一切関係ありません。

YouTube からの動画ダウンロード支援サイト「TUBEFIRE」を運営していた株式会社ミュージックゲート(東京都世田谷区)に対してレコード会社など31社が2億3000万円の損害賠償を求めていた裁判で、1月10日、東京地裁は TUBEFIRE に違法性はないとする判決を下した。

TUBEFIRE は、YouTube にアップロードされている動画をパソコンや携帯電話にダウンロードすることを可能にするサイトで、2007年から運営されている。ユーザーはこのサイトを利用することで、無許可でアップロードされたミュージックビデオなどをいつでも視聴できるようになり、レコード会社の複製権を侵害しているとして訴えられていた。

判決では、TUBEFIRE が YouTube にアップロードされている動画のダウンロード支援をすることで複製を管理していることは認定したものの、個々の動画に対しては技術的に中立であり、YouTube を運営するグーグルを差し置いて著作権侵害を認めることはできないとした。

具体的には、YouTube にアップロードされている動画は YouTube の利用規約上、投稿者が著作権を保持していることが前提となっていること、グーグルは著作権侵害に対してプロバイダ責任制限法に基づいた削除を行っていること、TUBEFIRE は著作権侵害が認められる特定の動画のダウンロードを推奨していないことなどが認められた。レコード会社側は、YouTube の利用規約でダウンロードが禁止されていることも示したが、これは YouTube と利用者の間の契約上の問題であり、ミュージックゲートの著作権侵害とは無関係であるとした。この判決には、先日の Winny 裁判で技術的に中立であることを認めた大阪高裁の判断を最高裁が追認したことも影響しているものとみられる。

ミュージックゲートを運営する穂口雄右氏は、「当然の判決。訴訟を起こしたければ、コンテンツを保持する YouTube を相手にすべきで、訴えやすい相手を選んで生贄にするのは弱い者いじめに過ぎない。この判決は音楽ビジネスの変化を拒否するレコード会社に対する鉄槌」と語った上で、「裁判の結果を受けて運営を再開する。すでに携帯電話の着うたやスマートフォンなどから利用しやすくするための準備もできている」と今後の事業拡大を示唆した。

一方、業界関係者からは「この判決により、これまでミュージックビデオなどの投稿を黙認してきたレコード会社も、一斉に削除申請せざるをえなくなります。CountDownTube からリンクされているものは、真っ先に削除されるでしょうね」と内情を明かす声も聞かれた。

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