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続・「Creative Commons」の捉え方

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はてブにて「「Creative Commons」の捉え方」、または「津田氏との電子メールの履歴」にコメントくださった皆様、ありがとうございます。今朝、見た時は個別にコメントできるかと考えていたのですが、多数のコメントをいただきましたので、内容別にまとめます。
→「「Creative Commons」の捉え方」への「はてブ」コメント
→「津田氏との電子メールの履歴」への「はてブ」コメント

全体的に、私の意見に否定的なものがほとんどですね(メール全文を公開しているのですから、ちゃんと読んで欲しいというものもありますが)。Creative Commons のライセンスが「共有」を目的としているという考えを改めるつもりはありませんが、この反応については、素直に考えの甘さを認めねばならないと思っています。

・「CC宣言」と「デジタルコピー」は別。デジタルデータ公開の義務はない。
この指摘はそのとおりで、CC 宣言にはデジタルファイルがない場合についても明記されています。しかし、“共有”が宣言されたものについて、具体的な指摘もなく、ただ「間違いは直すべき」と言われるのは違和感を禁じえません。Creative Commons のプロモーションビデオの冒頭では "Wanna Work Together?" と表示されますが、CC 宣言されたということは "Work Together" を希望されたのではないのでしょうか。(版元への遠慮がないなら)電子データを公開できる立場にある方が、非クリエイティブな作業までを求めるのはなぜでしょう。

・「紙」で出すことに意義がある。
・本というモノを理解しておらん。
印刷物としての存在を否定していません。

・正確さを放棄すること自体が、大きな欺瞞であり、品位を欠く不誠実であり、悪意に満ちた中傷行為。
・中途半端や脚注なしで出すのは改変。
メール(August 10, 2007 11:19 PM)に「私は発言の意図が伝わるかどうかということより、作品に対する敬意という点で誤字は恥ずかしいと思います。」と書いたとおり、誤字を意に介していないわけでも、正確さを放棄したわけでもありません。また、部分公開が改変にあたるのではないかという点については、もともと注釈などが部分的に利用されることを認められていますし、津田氏にも改変扱いとならないことを確認済みです(August 10, 2007 4:01 AM)。
なお、正確さこそを重視するのであれば、たんにイメージデータとしてページスキャンするのが簡易です。しかし、テキストデータにしてほしいという津田氏の希望(August 02, 2007 3:22 AM)もありましたし、実際、試し てみた限りでは、やはりテキスト化した方が読みやすいものでした。だから“意を決して”テキスト化にかかろうと考えたのです。

・CCLの利用者がCCの思想に必ず沿うべきとは思いません
津田氏はCCの思想に合っていないとお考えのわけではありません。

・wiki にしてみんなで直せばいいんじゃない?
これは望まれるところだと思います。(誤解はないと思いますが)テキスト化したものを「私の持ち物」と考えているわけではありませんので、同じCCライセンスに基づいてより正確なものになっていくのであれば、どの場所にコピーされてもかまいません。読みやすくレイアウトされるということもあるでしょう。(※追記参照ください)

ところで残った脚注のテキスト化については、正直やる気が失せています。脚注のテキスト化作業をやってみようという方がいらっしゃったら、お申し出ください。『コンテンツ・フューチャー』を送料元払いでお送りします。

※追記。他ならぬ高木浩光氏から「最悪な奴。「wiki にしてみんなで直せば…これは望まれるところ」 < 作業途中版と完成版が混同されないように配慮した公開のしかたするよな普通。まともな動機でやってるなら。 」という「はてブ」コメントがありましたので、補足します。

まず、現状が「作業途中版」であるという認識ではありません(当然、完成前の作業中の部分は「作業中」と明示していました)。上記のとおり、津田氏の指摘を受けたあと私なりには誤字のないよう配慮したつもりであり、正確さを放棄したわけではありません。だからといって、金輪際間違いがないとまでは断言できません。補足すれば、本書自身にもいくらかの誤記を見つけています(改めて公開します)。もともと「wiki」はコンテンツのアップデートを前提にしていますから、常に「作業中」という表明になりかねない点については配慮を欠いた表現でしたが、「はてブ」の中で「誤字の指摘って意外と面倒なんだよね」という指摘がありましたので、そのような手間をかけずに修正できる仕組みがあると望ましいかと考え(「改変不可」なので訂正以外を想定していない)、このように表記した次第です。

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