コンピュータ将棋とプロ棋士の対決
「頂上対決…渡辺竜王22歳Vs最強将棋ソフト」(産経新聞)によれば、今月21日にコンピュータ将棋とプロ棋士の公式対戦があるそうですね。私の年代では ASCII 誌によるマイクロオセロ時代が思い出される、興味深い対戦になりそうです。マイクロオセロ時代は、当時の8ビットパソコンは今よりずっと性能が低く(CPU の動作速度も4MHzくらい)、人間(のうまい人)の比ではなかったのですが、ルールが単純なだけに現在ではコンピュータが人間を圧倒しているようです。
ルールがかなり難しくなるチェスでは、1996年に IBM の DeepBlue が当時のチャンピョンであるカスパロフ氏との公式対戦で1勝を奪い取り(6戦1勝3敗2引分)、翌年には2勝1敗3引分で勝利したという記録があります。DeepBlue は、IBM コンピュータの性能を宣伝する目的もあり、スーパーコンピュータとしての計算能力だけでなく、チェスの巨匠の指導を受けながらプログラムを強化していったという話を聞きました。そして、wikipedia によれば、最近ではコンピュータが勝利するようになってきているようです。
その DeepBlue の勝利が伝えられた当時でも、手数の多い将棋ではまだまだ人間に勝てなかったわけですが(「まだ」勝てないかもしれませんが)少なくとも公式戦ができるような時代になってきているということです。しかも、今回対戦するソフト(ボナンザ)は、保木さんという個人の方が作られた Windows アプリケーションとのこと。DeepBlue のように研究チームを組織して、現在のスーパーコンピュータで将棋ソフトを作ったら、どんな強さになるのでしょうか。かつて、東大の大型計算機センターで金田氏がライフワークのようにスーパーコンピュータを使って円周率を計算されていましたが、このような分野の研究にも使ってみて欲しいところです。(全然太刀打ちできていない囲碁とか)
渡辺竜王のブログによれば、渡辺氏はボナンザの癖を研究されているそうですが、保木氏にはアルゴリズムを改良してでも頑張ってもらいたいところです。もっとも、保木氏は「強くなった理由がわからない」そうなので、ヘンな冒険はできないかもしれません^_^;