立場が変わっても同じことを言い続ける
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大里さんの「同じ事を言い続けることの難しさ」というエントリのタイトルを見たときに、このことを言っているのかと思いました(が、違ったようです^_^;)。
元々テクニカルサポートという職種でこの業界に入りましたが、同じことを言い続けるというのは、あまり苦ではありません。かつてのサポートは基本的に無料だったので、とくに新製品を出すような時期には、さまざまなお客様からの同じ質問に対して、同じ回答を繰り返し答え続けるということが日常でした。今でも、デベロッパーエバンジェリストとして、あちこちの訪問先で同じ内容のショートセミナーを繰り返しています。もちろん、テープレコーダーじゃないので(←古い?)、お客様に合わせてカスタマイズすることはありますが。
問題なのは、立場が変わった場合です。私の場合、転職前後がそれに相当しますが、その場合でも、以前と同じことが言い続けられるのかどうか。お客様やメディアの方々に対して「立場が変わったから手のひらを返して違うことを言う」のでは会社の代弁者になることはできても、私個人の言葉としては聞いてもらえないでしょう。ですから、何か“意見”を発するときは、それが将来にわたっても自信を持って言えることかどうかに気を使います。(逆に、はずしてしまったときは潔く謝ります^_^;)
かつて、映画評論家の故荻昌弘氏は、映画館での封切り時に酷評した(らしい)映画を自分の番組で放送することになったとき「以前はひどいことを書いてすみません。でも見方を変えれば面白い」(大意)という解説をされていました。その場その場で適当なことを言い散らかすコメンテーターとは違う誠実さを感じました。こうありたいものです。
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